※イマコレ=「今ごろコレ聴いてる」「今まさにコレが俺にキテル!」的なアルバムなどをピックアップして紹介します。
ウェザーが1978年にリリースした9枚目にあたる『ミスター・ゴーン』、個人的には最も好きなウェザーのアルバムかもしれない。ジャコ・パストリアスが加入してからだと3枚目となるアルバムで、最初の『ブラック・マーケット』は2曲だけの参加で、続く『ヘヴィー・ウェザー』はウェザー史上で最もキャッチーな1枚となっている。「バードランド」って超有名曲も入っているしね。
で、この『ミスター・ゴーン』は前作の延長で聴くと戸惑ってしまいそうな感じではある。ゴニョゴニョした感じの曲はあるわ、セッションをそのまま収録してるわ、なぜかモーリス・ホワイト(アース・ウィンド・アンド・ファイア)がヴォーカルでちょっとだけ参加している曲で唐突に終わるわで、ややアヴァンギャルドな作りなのだ。
- The Pursuit Of The Woman With The Feathered Hat
- River People
- Young And Fine
- The Elders
- Mr. Gone
- Punk Jazz
- Pinocchio
- And Then
アヴァンギャルドに思えるのが1, 4, 5で、民族音楽的なコーラスだったり(1)、ゴニョゴニョしてたり(4,5)で、このあたりはまったくキャッチーな要素が無い。聴きどころとしてはジャコの作品である2と6で、2のベースラインは後にジャコのライヴ音源ではおなじみのリフとなっているし、6はタイトルからして秀逸。
でも俺がこのアルバムで最も好きなのが3の「ヤング・アンド・ファイン」だ。このアルバムからドラムにピーター・アースキンが加入するのだけど、この曲のメインドラマーはスティーヴ・ガッドで、アースキンはハイハットだけをプレイしている。しかしこの曲の肝はアースキンによるハイハットなんだよね。これにジャコのベースが絡むところが何度聴いてもゾクゾクしてしまう。
あとは7、これがセッションをそのまま録音したものらしく、躍動感が半端ないところが良い。後半のハイライトは間違いなくこの曲だと思っている。全体を通して35分ぐらいしかないアルバムだけど、この時期のウェザーが凝縮されていると思うんだよね。だからこのアルバムが最も好きなのです。
これを書いている途中で思い出したけど、別にカルロス・ゴーンが出所したニュースに合わせてこれを書いたわけではないからね。あくまでも偶然です。