【イマコレ】V.A. / EVERY BAND HAS A SHONEN KNIFE WHO LOVES THEM

EVERY BAND HAS A SHONEN KNIFE WHO LOVES THEM

※イマコレ=「今ごろコレ聴いてる」「今まさにコレが俺にキテル!」的なアルバムなどをピックアップして紹介します。

ふとしたきっかけで最近は少年ナイフを聴きまくっている。そのきっかけとは7月に最初期のカセット作品『みんな楽しく少年ナイフ』がついにCDとアナログで再発されるということで、それがいまから楽しみでしょうがないのだ。

その一環としてここんとこ1日に1回は聴いているのが写真のアルバムだ。1989年にリリースされたソニック・ユースやL7、レッド・クロスなどが参加している少年ナイフのトリビュートアルバム “EVERY BAND HAS A SHONEN KNIFE WHO LOVES THEM”。過去に音源を頂いて聴いていたが、ソニック・ユースが参加しているコンピを集めるといった名目でのちに中古で入手した。

このアルバムがリリースされた1989年に、俺は池袋のWAVEの店頭にこれが並んでいたのを目撃し、CDも手にとっているが買うことはなかった。なぜかというと、少年ナイフは名前こそ知ってはいたが、楽曲は聴いたことが無かったから。同時期にリリースされたニール・ヤングのトリビュートアルバム”The Bridge”は買ったけど。

今でこそ少年ナイフは海外でも人気のあるバンドとして、ある程度ロックを聴いてきた人たちには認知されているが、1989年は無名に等しい存在だった。それを、当時まだよく知らないバンドばかりが参加してカバーしているというのもスルーした理由でもあった。先ほどからソニック・ユースの名を挙げているが、ちょうど”Daydream Nation”を聴き始めた頃で、まだそこまで入れ込んでなかったし。

「よく知らないバンド」というのは、いまでいうオルタナティヴ・ロックに分類されるバンドで、そのころはまだオルタナティブなんて使われていなかったし、「グランジ」って言葉だってまだ無かったんじゃないかと思う。

少年ナイフは1982年にデビューした大阪のスリーピース・ガールズ・バンドで、80年代には3枚のアルバムをインディーズのレーベルからリリースしている。知る人ぞ知るといった存在だった彼女たちを、来日したビート・ハプニングのメンバーがレコードを買っていったことがきっかけとなって日本よりも先にアメリカで名前が知れ渡っていった。SUB POPのコンピレーションに参加したり、来日したソニック・ユースのオープニング・アクトを務めていった。日本でメジャー・デビューしたのが1992年だったしね。

トリビュート・アルバムの話に戻るが。CDには23曲、つまり23組のバンドが参加しているが、半数以上が知らないバンドである。いまの耳で聴くと、各バンドがそれぞれの解釈で少年ナイフをカバーしているなと、曲を知っているから思えるが、当時もし聴いていたら戸惑い、即売り払っていた可能性もある。なんとも掴みどころのないカバー・アルバムだなと感じていただろうし、所詮(俺が)知らないバンド達が日本の知らないバンドをカバーしているぐらいにしか思わなかったかもしれない。逆に少年ナイフに興味を持ったかもしれないけど、当時21歳の俺に確認してみないとどっちに転がるのかわからないね。

今はとても楽しく聴いているし、このアルバムによって少年ナイフのシンプルでユニークな歌詞や演奏が唯一無二なものだなと改めて思う。

ところで、『みんな楽しく少年ナイフ』がCDとアナログで再発は喜ばしいことなんだけど、何でカセットで出さないのだろうか?もとがカセットなんだから同じフォーマットでも出した方がいいんじゃね?と余計なことを思った。

  1. Redd Kross / Kappa Ex.
  2. Freaks / Summertime Boogie
  3. The Three O’Clock / Insect Collector
  4. Frightwig / Public Baths
  5. Government Issue / Dali’s Sunflower
  6. L7 / Baggs
  7. White Flag / Froot Loop Dreams
  8. The Pussywillows / Twist Barbie
  9. Big Dipper / Making Plans For Bison
  10. Christmas / Ice Cream City
  11. Pat Ruthensmear / Lazybones
  12. Krave / Elmer Elevator
  13. Chemical People / Devil House
  14. Sonic Youth / Burning Farm
  15. Lunachicks / Antonio Baka Guy
  16. The Mr. T Experience / Flying Jelly Attack
  17. Project Jenny & Teen Steem / Miracle Woman
  18. Disco Dave Landry / Tortise Brand Pot Scrubbing Cleaner’s Theme-Bye Bye
  19. Death Of Samantha / Redd Kross
  20. Das Damen / Riding On The Rocket
  21. Wendy Horowitz / Ah Singapore!
  22. Phil Blumel / One Day At The Factory (Prelude)
  23. Reverb Motherfuckers / Elephant Pao Pao

 

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