とても朴訥な歌い方で、これぞボサノヴァと思わずにはいられない素晴らしいアルバム。ジョン・ローズボロというハイチ系アメリカ人のシンガーによる2枚目のアルバム。
この人は2021年の時点では一文無しの状態だったそうだ。カリフォルニアで別の仕事をしていたが、音楽をやるべきと考え、前の奥さんと別れた際にすべての財産を与え、自身は無一文でニューヨークに出てきた。
そこで知り合った仲間と共に制作をし、同年11月には”Human Nature”というタイトルの1stアルバムをリリース。以降も曲を作ってはBandcamp等で販売している。
アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトといった人たちからの影響を受け、ボサノヴァをベースとした楽曲を聴かせてくれる。ボサノヴァと言っても日本人がイメージしがちな爽やかなものではなく、それこそジョアン・ジルベルトのような感じ。
1stアルバム同様、ジョンのギターとヴォーカルを中心に、パーカッションやベース、ドラム、ホーンやバイオリン等、音数も多くなっている。でも何よりもジョンのヴォーカルとギターが良い。2024年にこんなボッサ・アルバムを聴けるとは思わなかった。