人はなぜメタリカの”St. Anger”を酷評するのか

Metallica / St. Anger
Metallica / St. Anger

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ふと思い出したように、メタリカのアルバムを聴いている。2003年リリースの8枚目のアルバム”St.Anger(セイント・アンガー)”がものすごくツボで、個人的にはメタリカのアルバムの中でも3本の指に入るぐらいの傑作だと思っている。しかし当時からこのアルバムについては酷評が多くて、Amazonのカスタマーレビューを見ても賛否両論って感じなんだよね。こんなに最高なアルバムなのに、みんな何が嫌なんだろうかまとめてみた。

Amazonのカスタマーレビューで星を1つとか2つしかつけていない人たちの意見や、ちょっとググって見つけたブログ等を読むと、多いのは以下のような理由

  • ドラムの音が嫌だ
  • ギターソロが無い
  • 長い

まずは「ドラムの音が嫌だ」という意見だが、スネアがカンカン鳴っているのが気に食わないということで、へーそうなんだと率直に思ったものだ。俺はこの”St.Anger”の何が好きかってまずはこのドラムなんだよね。まるで一斗缶を叩いてるかのような感じの軽い音、へヴィ・メタルの頂点にいるメタリカがこんな音を、なんてカッコいいんだと聴いた当時は思ったもんだよね。

次に「ギターソロが無い」だけど、これはどうもわざとそうした作りにしたらしいね。実は俺はそこまで気がついてなくて、とにかく疾走するアルバムの展開に惚れ惚れしてしまってね。あと、ギターに関してはリフについても酷評されている感じがするね。確かに初期のような象徴的なリフは無いとは思うけど、俺はまあザクザク鳴っていてくれればいいかなってレベルなんですよ。

そして最後の「長い」とは、このアルバムは11曲しか入っていないのにトータルで75分ぐらいあって、1曲1曲が長いのである。8分の曲が3曲もあったりするし、「セイント・アンガー」というだけあって終始怒り狂ってるかのような曲しか入ってないし、曲が長いからメリハリが感じない。これは通して聴くのは辛いものがあるというのは分かる。だけどその代わりと言っては何だけど、このアルバムはどこから聴いても同じような感覚で聴けるんですよ。

要約するとこんな感じだけど、みんなが言うことをまとめると、要するにへヴィ・メタルの「様式美」が皆無ってところなんじゃないかと思うわけです。へヴィ・メタルに俺はそれほど縁がないから様式美と言っても漠然としているけど、重いドラムで聴きたいし、ギターソロが弾きまくって欲しいし、冗長すぎず簡潔にカッコいいリフで決めて欲しいし、そういうことなんじゃないですかね。確かにこのアルバムにはそういうのが無いし、へヴィ・メタルと呼ぶよりもオルタナティブな感じだし、だけど俺はそんなところにこのアルバムの良さを感じちゃているのです。逆に言うと成功を掴んでいるメタリカだからこそ冒険もできるわけで。他の人がどれだけ酷評しようと、俺は”St.Anger”が好きです。

冒頭で3本の指に入るぐらい好きなアルバムだと書いたが、他の2枚は”Ride The Lightning”と”…And Justice For All”です。前者は別として、「ジャスティス」もドラムの音が軽いよね、ベース聴こえないし。そういう変わったことをするメタリカが好きみたいだな。さらに言うと、”St.Anger”は俺の中ではローリング・ストーンズの『メインストリートのならず者』みたいな位置づけのアルバムかもしれない。だからあと15年ぐらいしたら、手のひら返したかのように「名盤」と言われることを期待したいね。