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かつて友人がこんなふうに聞かれたそうだ。「ロキシー・ミュージックってどういう音楽なの?」と。そのときに奴は初期のイメージを引き合いにして「グラムっぽかったり、プログレっぽかったり」と答えたそうだ。
すると聞いてきた男は「そういうのをまとめてロキシー・ミュージックっていうの?」と。
そう、そいつはロキシー・ミュージックという音楽ジャンルがあるのだと思ったらしい。確かに紛らわしいけど、そんな勘違いは後にも先にもそいつだけしか知らない。
たしかに「ロキシー・ミュージック」なんて聞いたらカントリー・ミュージックとかダンス・ミュージックと同じで、音楽の種類と思ってしまうかもしれない。
でもそれは「ロキシー・ミュージック」という名詞だけを聞いた場合で、大抵はアルバムや曲とセットで初めて知ることがほとんどじゃなかろうか?と、しょうもない前置きが長くなりました。
俺が今ロキシーにはまってしまっているのです。今まで断片的には聴いていたものの、改めてまとめて聴いてみたらものすごく良くて聴きまくっているところです。
俺がずっと持っていたロキシー・ミュージックのイメージって”Avalon” みたいなAORっぽい感じで、ブライアン・フェリーのソロ・アルバムが苦手な俺としてはロキシーも同じようなものなのだろうと思ってなかなか入れなかった。
あと、初期は時々グラム・ロックという言葉が使われて紹介されていたからあまり興味を持つことができなかったんだよね。
中学生の時に “Avalon”でその名を知って30年近く。今まで先入観で聴いてこなかったことを悔やむ今日この頃。最初に聴いたのがセカンド・アルバムとなるこれ。
Roxy Music / For Your Pleasure
- Do the Strand
- Beauty Queen
- Strictly Confidential
- Editions of You
- In Every Dream Home a Heartache
- Bogus Man
- Grey Lagoons
- For Your Pleasure
1曲目の”Do The Strand” がかっこよすぎる。フェリーのヴォーカルとアンディ・マッケイのサックスが交互に、それがひたすら繰り返されるパターンなんだけど、はまっちゃうね。
そして、アナログではB面にあたる後半3曲が異質な感じ。それまではわりとポップだったのが、ガラっと雰囲気が変わって重く退廃的なイメージを受ける。前半と後半の対比がたまらん。
そして8枚のアルバムの中で最も良いと思ったのがこれ。
Roxy Music / Stranded
- Street Life
- Just Like You
- Amazona
- Psalm
- Serenade
- Song for Europe
- Mother of Pearl
- Sunset
最初の話じゃないが「ロキシー・ミュージックってどんなの?」って聞かれたら、俺は迷わずこれを出そうと思っている。
最初の2枚、イーノがいた頃のエキセントリックな感じはなくなっているけど、後期ほどまだ大人っぽい音楽でもないし、これぞブリティッシュ・ロックと言っておこうか。”Song For Europe” と”Mother Of Pearl” の流れは素晴らしすぎる。特に後者は1度聴いただけで気に入ってしまったほど。
最も有名で名盤との誉れ高い “Avalon”は、実はまだ1回しか聴いていない。その前の “Flesh + Blood” も、さらにその前の”Manifesto” もそれぞれ1回ずつ。
悪くはないんだが、なんか刺激が足りないんだよね。もっと聴き込まないとならないところではあるが、上の2枚が強力すぎてね。ロキシーについてはまたいつか書こう。