ベックの新譜『ハイパースペース』

Beck / Hyperspace

Beck / Hyperspace

前作”Colors”から2年ぶり、もうそんなに経ってたんだと思った。ベック14枚目のアルバムである。まずはInstagramで発表されたこのジャケット!80年代前半の車の広告みたいなノリ。そこにカタカナで「ハイパースペース」と書かれていて、これだけで妙に期待してしまった。

Beck / Hyperspace

  1. Hyperlife
  2. Uneventful Days
  3. Saw Lightning
  4. Die Waiting
  5. Chemical
  6. See Through
  7. Hyperspace
  8. Stratosphere
  9. Dark Places
  10. Star
  11. Everlasting Nothing
  12. Saw Lightning (Freestyle) *bonus track

収録されている11曲中(日本盤はボーナストラックがついて12曲)7曲がファレル・ウイリアムスとの共同プロデュースという。ファレルってあれよ、ダフト・パンクのアルバムに参加したり、”Happy”をヒットさせたりって、そのぐらいしか俺覚えていないんだけど、この組み合わせはなんだか納得できる。他にもコールドプレイの人とコラボってたりしている。

俺は常々ベックのアルバムってどれも密室感があるなと思っていたんだけど、このアルバムはそれが希薄。やはりこれまでよりも誰かと組んでやっているというのが要因なのだろうか。あまりそういうところに影響されない人だとは思うけど、キーボードもしくはシンセが曲の空間を埋めていく感じがするのが印象深い。特に”Dark Places”のシンセの音はちょっと懐かしさがあるし、タイトル曲での重ねたような音も良い。

あと前作 “Colors”よりもテンポがミドル気味で、前回書いたKIRINJIのアルバムにも共通していえるが、昨今の音楽のトレンドがそういう感じなんだろうね。BPMがやや抑え気味。

“Saw Lightning”はどことなく”Loser”を思い出させてくれるし、同曲のフリースタイルと書かれているボーナストラックはブルースで、これは日本盤を買って良かったと思った。ライナーがロキノン編集者の対談というのはやや手抜き感があるが、まあそんなにいまはライナーも読まないから良いけど。

ところで、このアルバムは輸入盤でカセットテープも売っていて、ジャケットがとてもカセットのサイズで似合いそうなのでAmazonに注文してしまった。そんなわけで、ここ何年ものベックのアルバムでは久々に好きと言えるものだ。

因みに、ジャケットの赤い車はトヨタのセリカだ。昔よく見たな。