ウェザー・リポート “The Legendary Live Tapes: 1978-1981”

Weather Report / The Legendary Live Tapes : 1978-1981
Weather Report / The Legendary Live Tapes : 1978-1981

ウェザー・リポート(以下WRと記載)の未発表ライヴ4枚組がリリースされた。これは、WRのミキシング・エンジニアであった、ブライアン・リズナーが所有していたサウンドボード録音のテープをもとに、当時のドラマーであったピーター・アースキンがプロデュース、そしてバンド創設者であるジョー・ザヴィヌルの息子、トニー・ザヴィヌルがエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。ちなみに、このタイトルにある1978年から1981年のメンバーは、ジョー・ザヴィヌル(key)、ウェイン・ショーター(sax)、ジャコ・パストリアス(bass)、ピーター・アースキン(ds)でカルテット、そしてロバート・トーマス・ジュニア(perc)を加えてクインテットとなる。

Disc1 The Quintet:1980 + 1981
01. 8:30
02. Sightseeing
03. Brown Street
04. The Oophan
05. Forlorn
06. Three Views Of A Secret
07. Badia/Boogie Woogie Waltz
08. Wayne Solo
09. Jaco Solo (Osaka 1980)

Disc2 The Quartet:1978
01. Joe And Wayne Duet
02. Birdland
03. Peter’s Solo (“Drum Solo”)
04. A Remark You Made
05. Continuum/River People
06. Gibraltar

Disc3 The Quintet:1980 + 1981
01. Fast City
02. Madagascar
03. Night Passage
04. Dream Clock
05. Rockin’ In Rhythm
06. Port Of Entry

Disc4 The Quartet:1978
01. Elegant People
02. Scarlet Woman
03. Black Market
04. Jaco Solo
05. Teen Town
06. Peter’s Drum Solo
07. Directions

いや、もう凄い、こんな素晴らしい音源がまだ残っていたなんて。ディスク1の最初の2曲を聴いた時点で、このアルバムのクオリティは保証されたと思ったほど。WRがどれほど凄いグループだったかを改めて証明してくれる4枚組だと思った。そしてここに収録されている曲の半数以上は日本でのライヴ音源というところも嬉しい。ジャケ写を良く見たら「北ウイング」と書いてある。

ディスク1はアルバム『8:30』でスタジオ録音されていた01から04までのライヴが聴けるのが良い。ディスク2は何といってもラストの”Gibraltar”が圧巻。その前の”Continuum/River People”は、ブックレットによると観客の誰かが録音したものと書いてある。『ミスター・ゴーン』からの曲は”River People”しか入っていないので、このどこかの観客にはある意味感謝したい。ディスク3はアルバム『ナイト・パッセージ』からの曲がほとんどで、”Madagascar”と”Port Of Entry”がすごく良い。そしてディスク4はなんと言っても”Elegant People”が素晴らしいし、ラストもピーター・アースキンのドラムソロからそのまま”Directions”になだれこむところなんかは、生で聴きたかったと思う。そう、この4枚組を聴いて、本当に俺はあと10年早く生れたかったと思うよ。

4枚組で約4時間、WRのライヴが堪能できるなんて、今年の発掘音源の最高峰だと思う。