Ben Folds / Rockin’ The Suburbs
※イマコレ=「今ごろコレ聴いてる」「今まさにコレが俺にキテル!」的なアルバムなどをピックアップして紹介します。
久々かな、イマコレは。忘れていたわけではなく、なんとなく気分ですよ、そんなものです。
俺はベン・フォールズ・ファイヴ(以下「BF5」)は大好きだし、今でもよく聴く。だけどBF5解散後の2001年にリリースされたベン・フォールズのこのソロ・アルバムを聴くのは今が初めてだ。リリースから16年も経った2017年にだよ。俺はベンのソロ作品を聴く気にはなれなかったんだよね、特にこのアルバムは。
BF5のアルバムでは解散前に出た『ラインホルト・メスナーの肖像(The Unauthorized Biography of Reinhold Messner)』がいちばん好きなんだけど、当時からこの「重さ」はただものじゃないと思っていたけど、その後解散しちゃたじゃないですか。
で、その2年後にこのアルバムが出たんだけど、その時は各所で「ベン・フォールズが戻ってきた!」みたいな言われ方をしていて、その「戻ってきた」という言い草は単なるシーンに戻ってきたという意味ではなく、BF5の1stアルバムのようなはっちゃけた感じのベンが戻ってきたという意味合いが含まれているような気がして、それがどうも気に食わなかった。
それはまるでBF5の後期を否定するかのように聞こえたんだよ。お前らが好きなのはベン・フォールズ・ファイヴというバンドが作り出す音楽じゃなくて、雰囲気やノリなのかよと、そう思ったのです。重い、暗いってだけで聴く頻度が少ないとかなんなんだよってね。だから俺はベンのソロには興味も持たず、ずっと『ラインホルト・メスナーの肖像』を愛聴してきたのです。
最近になってBF5としての情報はなにかないかとか調べているうちに、なんとなくベンのソロを聴いてみようかなという気になったので入手したのがこのアルバム。ライナーノートを読むと、BF5の後期はバンドがギクシャクしていてメンバー同士口もきかなかったとベンが回想している旨が書いてあって、それはバンドが解散したころから薄々そう思ってきたけど、俺はその事実を知りたくはないからベンのソロをずっと避けてきたんだと改めて気づかされた気分なのです。
こうして初めて聴いてみると、曲もいいし雰囲気もいいし、本来ならリアルタイムで喜んで聴いていたかもしれないのに、16年も遅れて聴いているわけですよ。