ベック「Colors」のおかげで過去の苦手なアルバムも聴く気になった

Beck / Color

Beck / Colors

ベック、13枚目のアルバムは “Colors” というタイトル。ちょっと期待していたんだけど、一聴して「ん?・・・」となった。曲は良いんだけど、なんか違うと。

イメージとしては “Midnite Vultures” に近いものがあるのだけど、それでもその頃(90年代)の作品群とは何かが違っていて、それは俺にはすぐにわかった。

「何か変な感じ」が希薄なのだ “Colors” には。変な感じとは “Mellow Gold” や “Odelay” にあるようなグチャグチャした「どこか変」と思える要素のこと。これは00年代以降のアルバムからも感じてはいたけど、近年はいよいよ俺が期待したい変な要素はなくなってきたなと。

でも “Colors” は気がつけば何度もリピートしていて、例えば前作の “Morning Phase” と比べると遥かに回数を聴いている。

ベックのアルバムに対して俺は苦手なものがある。それはフォーキーなものでその最たる例が “Sea Change” と ”Morning Phase” だったりする。アルバム全体がゆっくりしたテンポの曲が多く、この2枚からも「変さ」が感じられなく、言ってしまうと退屈だった。おかげで “Morning…” に至っては通して聴いたのが恐らく1回だけだったと思う。

“Colors” を何度も聴いているうちに、俺が思うところの「変さ」がないアルバムの作りに慣れてきたのか、その勢いで苦手な “Sea Change” と ”Morning Phase” の2枚も聴いてみようという気になり実際に聴いたのが先日。

思ったよりは良いアルバムだと思った、どちらも。アコースティック主体なのに時々謎の音を入れていたりして、こんな音が入っていたんだなんて初めて気がつくぐらいで、本当にどんだけ聴いてこなかったんだと。だからと言って何度も聴くかどうかは気分次第だけど。

だけど俺はベックの今を否定するつもりはまったくないし、むしろ良い変化の仕方だなと思っている。変なのが聴きたかったら “One Foot In The Grave” とかを選んでいればいいわけでさ。

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