アルバムの謎めいた魅力が落ちるか、なるほどね。

ソニック・ユースのデラックス・エディション・シリーズ
オリジナル・ラヴ、田島貴男のコラムで、
かつての名盤がデモ音源やアウトテイクなどを加えた
2枚組で再発されることについて、このようなことを言っていた。

ああいうアルバムがリリースされることは、古い音楽ファンの心理をくすぐる一方で、まだ一回もそのアルバムを聴いたことがない新しい若い聴衆に、アルバムの謎めいた魅力を破壊して紹介しているように思う。

そして本人も言っていることだが、彼はアルバムを作る側の人間だから
収録曲やその順番、雰囲気などをじっくり考慮して作品としているわけで、
後に曲を加えたり、漏れた曲を追加することは、
一度できた作品を再度いじくりまわすということであり、
自らその作品を否定しまうと考えるのであろう。


個人的には、このような形態で再発してくれるのは大歓迎だ。
アルバムとその裏側が垣間見えるから、聴きなれたアルバムから
新しい発見ができるからだ。
しかし、これはあくまでもそのアルバムを何度も聴いているという前提であり、
初めて聴くのがこういう2枚組だと事情は変わってしまう。
一度でアルバムそのものと「裏」を同時に聴けてしまって、
田島貴男がいうところの「謎めいた魅力」というのは感じられなくなってしまう。
これには大いに賛同する。
以前、俺は「デラックス・エディションは何故2枚組なのか」という記事で

そのアルバムの当時の裏側を知るためにあるようなもので、裏側を知るためにはやはりオリジナルのアルバムも聴いておくべきという考えなのではないだろうか?アルバムとレア音源の両者を聴くことでまた新たな発見があるのではないかと。

と書いたことがあるが、
これももととなるアルバムをすでに「聴いている」場合の話だ。
音楽でも映画でも、最近はCDやDVDにはあらかじめタネ明かしのような
デモテイクや撮影秘話などが入っているけど、確かに一長一短だね。
で、ひとつわかったことは、
田島貴男は今までもだけど、今後も一度出した作品には
手を加えて出しなおすということはしないんだろうな。
やってもリマスターぐらいかな。

過去の素晴らしいポップ音楽は一つの作品としてリリースされたままの姿で店先に並べられるのが理想なんだけどな。

俺も、オリジナル・ラヴのアルバムは今のままで、手を加えないで欲しいと思っている。
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