テレヴィジョン”Marquee Moon”のボーナストラックに思う

テレヴィジョンの2枚のアルバム、”Marquee Moon”と”Adventure”は2003年にライノからデジパックで再発された際に、それぞれ数曲のボーナストラックが入っていた。俺は当時このボーナストラック入り再発には大いに喜んだものだ。そして久々に”Marquee Moon”を聴いていて今更ながらに感じたのだけど、ボーナス・トラックってのは良し悪しあるよなぁって。

このデジパック版の”Marquee Moon”には以下の曲が入っている。
01. See No Evil
02. Venus
03. Friction
04. Marquee Moon
05. Elevation
06. Guiding Light
07. Prove It
08. Torn Curtain
09. Little Johnny Jewel (Parts 1 & 2)
10. See No Evil (alternate version)
11. Friction (alternate version)
12. Marquee Moon (alternate version)
13. Untitled Instrumental

このうち、最初の8曲がオリジナルのアルバム”Marquee Moon”に収録されている曲で、9曲目以降がボーナストラック。”Little Johnny Jewel”は彼らのデビュー曲でありながら、アルバムには未収録だったので、それまでは中古の12インチシングルを探すしかなかったから、この曲がボーナストラックに入るのは大変嬉しい。しかしその後の「alternate version」とついた3曲、これが今回考えさせられてしまった。それこそ俺はこれらの3曲(”See No Evil”, “Friction”, “Marquee Moon”)の別バージョンには興奮したものだった。「おお、ギターが違うよ!」「歌い方違うし」みたいな感じで。長年聴いてきたテイクと全然違うわけだったりするものだからね。

でも、このCDで初めてテレヴィジョンを聴く人にとってはどうなんだろうって。きっと「ああ、別バージョンか」ぐらいの認識で、いちいち興奮している俺とかを不思議に思うんだろうなって。そして、きっと俺だって他の誰かのアルバムを初めて聴いて、別バージョンのボーナストラックとかが入っていても、それほど驚かないんじゃないかとも。発掘音源をボーナストラックにつけるのは嬉しいことだけど、今後それらを新しく聴く人にとっては、俺たちが味わったような感動は無いんだろうなと思うとちょっと残念な気もする。そして、別テイクや発掘音源なんて概念もなくなるのだろうね、この先。

まあでもそうは言 っても、新たな聴き手が増えてくれるのがいちばんいいよね。この時代のニューヨーク(1977年)とか、行ってみたかったなぁ、俺まだ9歳だったけどw

ところで、この”Marquee Moon”はCD化にあたって変わったところがひとつある。それはタイトル曲で、アナログ時代はこの写真のように、演奏時間は9分58秒だった。

ところが、現行のCDでは10分47秒と、約1分も長くなっている。これはどういうことかと言うと、アナログ時代のこの曲は長い間奏のあと、再びヴォーカルに戻るが、その歌の最中にフェイド・アウトして終わっていた。これがCD化されたときには、完奏して終わっているバージョンに差し替えられてた。だから90年代最初にCD化されたこのアルバムを聴いてそこにビックリしたものだった。別にアナログ時代だって、あと1分ぐらい余計に収録できただろうに、なぜフェイド・アウトだったんだろうと考えてしまう。でも俺は今でもアナログ時代の「9分58秒」という、10分に届かせない尺が好きなんだよな。なんかカッコいいんだよね、もうCDのバージョンにすっかり慣れてしまっているけど。

コメント

  1. LA MOSCA より:


    9分58秒ですよね、マーキームーンは。
    俺も今やもっぱらCDで聴いてますけど(笑)

    この手のボートラに関しては同感です。
    その最たるモノがビートルの『アンソロジー』だと思います。
    オリジナルアルバム聴く前にそれ聴いちゃいかんだろうって。

  2. hiroumi より:


    LA MOSCAさん
    やはり自分達の世代(アナログで聴いてきた者)としては9分58秒ですよね!
    ビートルズの「アンソロジー」はタイトルが良くないですね。
    あれから入って聴かなくなってしまう人もいるんじゃないかと・・・。