『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ディスク2(その2)

 

The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band

引き続き”Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band” のスーパー・デラックス・エディションのディスク2を。今回は”A Day In The Life”のことを中心に書く。なお、写真に写っている本が前回紹介した「ザ・ビートルズ・レコーディング・セッションズ」の初版本です。この本はかれこれ25年以上愛読しているもので、事あれば開いています。

まずはディスク2の曲目を再び。

CD 2 / Sgt. Pepper Sessions
01. Strawberry Fields Forever – Take 1
02. Strawberry Fields Forever – Take 4
03. Strawberry Fields Forever – Take 7
04. Strawberry Fields Forever – Take 26
05. Strawberry Fields Forever – Stereo/Giles Martin Mix 2015
06. When I’m Sixty-Four
07. Penny Lane – Take 6
08. Penny Lane – Vocal Overdubs and Speech
09. Penny Lane – Stereo / Giles Martin Mix 2017
10. A Day In The Lif e- Take 1
11. A Day In The Life – Take 2
12. A Day In The Life – Orchestra Overdub
13. A Day In The Life – Hummed Last Chord
14. A Day In The Life – The Last Chord
15. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band – Take 1
16. Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band – Take 9
17. Good Morning Good Morning – Take 1
18. Good Morning Good Morning – Take 8

このディスク2とディスク3のアウトテイクはレコーディング順に並んでいるんだね。”Strawberry Fields”がテイク7の時点でレコーディング完了と一旦は思ったようで、だから”When I’m Sixty Four”のレコーディングをしたと書かれている。しかも驚くのはこの曲はデビュー前のキャバーンクラブ時代に演奏していたとか。”Penny Lane”は収録がなんとも中途半端な気がするのだが、これだったらおまけにエンディングにホーンが入るバージョンも収録してほしかった。

で、”A Day In The Life”ね。本によるとテイク1とテイク2はともに1967年1月19日の録音だが、この日だけは曲のタイトルが”In The Life Of …”というものだった。テイク1ではまだシンプルな録音で、オーケストラの部分ではピアノが少しずつ盛り上がりを見せながら、マル・エヴァンスによるカウントが入っている。このカウントが増えるたびにエコーをかけていくのがなんとも笑ってしまうんだよね。ここには何を入れるか、1月19日の時点では決められていなかったようだ。

この曲は昔から、ジョンの曲とポールの曲を合体させたみたいなことが言われているが、そのポールが歌う”Woke up, fell out of bed”の部分はこの2つのテイクには入っていない。

オーケストラは1967年2月10日に録音された。ジョージ・マーティンがスコアを書き、スタジオに呼ばれた40名のミュージシャン達は各楽器のいちばん低い音から一番高い音へ自然に流れるように上げていき、かつ他の人と同じ音はださないようにという狂ったような指示を受けたそうだ。この曲のビデオを見た人なら分かるだろうが、オーケストラの人たちが一様に変な帽子を被ったりピエロみたいな鼻とかメガネをつけたりしているけど、これはビートルズ達の悪ふざけだとか。

また、同じ日にオーケストラの人たちが帰ったあとに録音されたのが”Hummed Last Chord”と記載された13曲目のトラック。当初はこれを曲の終わりにもってこようとしたみたいで、この「合唱」を11テイク録音したらしい。だからこのディスクに入っているテイク2の最後に「あうーーーー」って入っているのは編集してくっつけたものであって1月19日にはまだ存在していないんだね。なぜくっつけたのか。

そして最後の「ジャーーーーン」をピアノで表現しようというアイデアにたどり着く。そこで、ジョン、ポール、リンゴ、マル・エヴァンスの4人で3台のピアノを使ってEのコードを叩く。その様子が14曲目のトラックに収録されていて、全部で9テイク録音したのが分かる。このピアノによる演奏を加えて”A Day In The Life”は完成する。こうして聴いてみると、この曲の正規に発表されたテイクの最後が「あうーーーー」じゃなくて良かったなと思うよ。

ラスト2曲のアウトテイクは特にコメントするようなことがないんだけど、ラストの”Good Morning Good Morning”のテイク8はシンプルでいいね。コーンフレークか何かのCMを見てひらめいた曲だったっけ?

余談だけどこれらのレコーディング時に、ジョージによる”Only A Northern Song”も録音されているけどボツになっている。