いよいよ2ndアルバムがリリースされるSuchmos(サチモス)。アルバムの前に彼らを特集した「SWITCH Vol.35 No.2」が発売された。メンバー6人のインタビューを中心に、多くの写真と、ロゴの制作秘話とか、ヴォーカルのYONCEのファッションアイテムとか、現在進行形の彼らが分かる特集になっていると思う。タワレコで予約して購入したら、表紙と同じポスターもらいました。
ところで、彼らの”Stay Tune”、ホンダのCMで流れるようになって新たに注目している人たちが増えたようですが、なんかオシャレでカッコいい音楽みたいな見方をされているような気がします。確かにそういう音ではありますが、この曲、東京をディスってますよね。いや、俺の勝手な解釈なんだけど、だけどYONCEのインタビューを読む限りではそう受け取れるのです。
そもそも俺は都会にいたくない派なので、都会的なものを歌うということではなく、金曜日の東京は酔っ払って帰れなくなっちゃう奴ばっかりで、ある意味ゾンビ・タウンだよっていうことを言っていて。渋谷で夜ライヴがあった日の帰りはだいたい終電くらいになるんですけど、その時間に電車に乗ってる人たちは酔っ払ってる奴ばっかりなんですよ、揃いも揃って(笑)。
Suchmos、これまでのバンドのモードを総括しつつ新しい自身のサウンドも提示した会心の新EP『LOVE&VICE』を語る – Mikiki
他のインタビューでも、東京をちょっと冷めた視点で見ているとか、そんなようなことを言っているのを読んだことがあります。それなのに歌詞に「東京」という言葉を入れるあたりが確信犯的で、キャッチーな曲に聴こえるんだろうね。
で、”Stay Tune”の歌詞のこの部分
ブランド着てるやつ もう Good Night
Mで待っているやつ もう Good Night
頭だけ良いやつ もう Good Night
広くて浅いやつ もう Good Night
ここが先のインタビューに出てくる「酔っ払い」たちを皮肉っているのかなと思っています。ブランド着ていようが、酔っぱらってグダグダになっているような奴はさっさと寝ちまえよみたいなニュアンス。「Mで待っているやつ」ってのは、酔っぱらって終電を逃して始発までマクドナルドで待っている奴のことを言っているのだろうと思います。そう、マクドナルドのMね。先にフィーチャーしたインタビューの続きで、YONCEはこう言ってるのです。
ぶっ倒れてる奴とかもいて、そんなになるまで呑まなきゃいけない状況なのかわからないけど、だからダメなんだよ!と、そういうことを歌詞にしてみた感じです。
Suchmos、これまでのバンドのモードを総括しつつ新しい自身のサウンドも提示した会心の新EP『LOVE&VICE』を語る – Mikiki
人をこういう風にしてしまう東京って街を冷ややかに見ているのが”Stay Tune”なんじゃないかなと。だけどこういうことを考えずに聴いているとまったくそういう感じに聴こえないところが上手いなと思うわけです。そんな絶妙なバランス感覚がSuchmosの最高なところなんじゃないですかね。ネタバレはしたくないので書かないけど、「SWITCH」のYONCEのインタビューで、彼はライヴ(フェス)での違和感を話しているんだけど、観る側の俺も「わかるわかる」と言いたくなるようなことを言ってて痛快でした。「SWITCH」読んだ方がいいよ、田島貴男も寄稿しています。