1961年にリリースされたジョアン・ジルベルトの3枚目のアルバムが再発されていた。デビューが1959年だったから、1年に1枚のペースで出していたってことだね。
ボサ・ノヴァとしてはお馴染みの曲が12曲、そしてまたまた大量のボーナストラックはジョアン以外のアーチストによる同時期の録音と思われる23曲。2枚目が出たときの記事でも書いたけど、もはやオムニバスっぽいところがちょっとアレだけど、俺としては他のアーチストが聴けるのも嬉しいかな。ファンからは不評のようだけどね。
ジョアンの曲を聴くと、ボサ・ノヴァが持つ独特のリズムというのがよく分かる。昨今のオシャレな雰囲気のボサ・ノヴァでは決して味わえない感覚だし、これがオリジナル。ボサ・ノヴァ、しいてはブラジル音楽を聴く上では絶対に避けては通れないと思う。でも、ブラジルの人にとっては古臭い音楽だそうで、日本で言うと昭和歌謡みたいなもの!?それはどこの国でもそういうものだろうね。
ところで、ボーナストラックには、Jon Hendricks って人による英語版カバーが7曲ほど入っているんだけど、”Chega de Saudade” が “No More Blues”ってタイトルってのがビックリ。そして、改めてジョアンの1stのクレジットを見たら、”Chega de Saudade (No More Blues)”って書いてあった。うろ覚えだけど、「郷愁はもうたくさん」みたいな意味合いだった気がするから、なんとなく合ってるのかな。日本語タイトルは「想いあふれて」だけど。
それにしても、こうしてジョアンの初期のアルバムが聴けるのは嬉しいことだよほんとに。10年前はそういう状況ではなかっただけにね。