ビートルズの「ピーター・セラーズ・テープ」

 

peter seller's tape

ビートルズの有名なブートレグの1つである「ピーター・セラーズ・テープ」。
『ホワイト・アルバム』を録音していた1968年に、リンゴ・スターが友人である
俳優のピーター・セラーズにプレゼントしたという、アルバムになる前のラフ・ミックス。
ピーターの死後にこのテープはオークションにかけられて、90年代にはブートレグとして
世に出回りだしたから、聴いている人も多いだろう、俺は初めて聴いたんだけど・・・。

俺が入手したものは、そのオリジナル・テープからリマスターしたと言われているもの。
リマスター云々はいいとして、驚くのはアルバムに入っているのとほぼ同じテイクじゃないかということ。
前後にカウントや声やアウトロがくっついているものの、これはほぼ最終形だったんじゃないだろうか?

ちなみに収録されているのは以下の12曲
01. Back In The U.S.S.R.
02. Rocky Raccoon
03. Wild Honey Pie
04. Mother Nature’s Son
05. Sexy Sadie
06. Don’t Pass Me By
07. Yer Blues
08. Good Night
09. Everybody’s Got Something To Hide Except For Me And My Monkey
10. Ob-la-di Ob-la-da
11. Blackbird
12. Not Guilty

01:最初にテープを巻き戻すような音が入っていて、終わりのジェット機のエフェクトが若干長い。
当然次の曲とのクロスフェイドはしていない。
02:始まりでコントロールルームからの「ロッキー・ラックーン」という声が入っている。
03:曲の始まりで4拍叩く音が入っている。
04:ほとんど正規盤と同じ。
05:これは必聴!始まりこそ正規盤と同じだが、エンディングが長い。きっと2枚組のアルバムに
納める為にここからさらに編集したんだろうね。
06:これもすごい、一通り終わるとリンゴが「最高だ!最高だ!ブラボー!」みたいな感じで大騒ぎ。
そして犬もやたらと吠えてるというw あと、イントロではベースが変なところに入ったりしている。
07:これはイントロから1分40秒ほどはインド音楽っぽいのやら何やら変なエフェクトが入っている。
これは正規盤では取って正解だろうと思ってしまう。
08:ほとんど正規盤と同じ。
09:ジョンのヴォーカルがシングルトラックですごくかっこいい!これも必聴でしょう。
10:イントロでピアノを間違えてすぐにやり直している。そして終わりで「サンキュー」の後にもう一言入っている。
11:これは正規盤とほぼ同じだが、鳥のさえずりエフェクトが入っていない。
12:そして唯一正規盤『ホワイト・アルバム』には収録されていない曲がこれ。100テイク以上も録音しながら
漏れたジョージの曲。こんな音の良い「ノット・ギルティ」を聴いたのは初めてかも。

ざっとこんな感じなんだけど、当初『ホワイト・アルバム』は1枚もののアルバムになる予定だったそうだが、
もしかしてこの曲順で出すつもりだったのかなと思いたくなるね。

それにしても、リンゴはなぜこのテープをピーター・セラーズにあげたんだろう。
「今やってるやつだよ、聴いてみて」ぐらいの軽い気持ちで渡したんだろうけど、
のちにこうやって出回るなんてその時は思いもしなかったんだろうなw

今では『ホワイト・アルバム』完成直前の状態のものとして貴重だね、音も良いし。