そういえば数年前に『ホワイト・アルバム』ばかり集めたアートみたいのが無かったっけ?ということを昨夜思い出してちょっとググってみた。
ニューヨークを拠点として活躍しているラザフォード・チャンというアーチストが、2015年に “We Buy White Albums” という作品を展示した。
写真にあるようにレコード屋の雰囲気を出しつつ、壁にあるのも箱に入っているのもすべて『ホワイト・アルバム』というもので、ラザフォード・チャンは7年間かけてこれらのアルバムを集めてきたらしい。
中にはジャケットが大いに破損していたり、カビていたり、落書きがされているものも多く、これはこれでレコード1枚1枚がこれまでにたどってきた物語を感じさせてくれるから面白い。
そしてこの作品の大きな特徴は、『ホワイト・アルバム』はすべてナンバリングされているもののみを集めていること。俺はLPはすべて基本的にナンバリングされているんじゃないかと思っているのだが、そうじゃないものもあったのかね。いまさら説明することでもないかもしれないが、LP時代に出た『ホワイト・アルバム』はジャケットの右下にシリアルナンバーが入っていた。俺が持っているのはトップの写真にあるように「A 430870」。
面白いのが、彼が集めている『ホワイト・アルバム』は1000枚以上あるというのに、シリアルナンバーの2700000番台が1枚も無いということ。これはある意味発見じゃないだろうか?それともハードコアなコレクターなら承知の事実なのだろうか?こうしてレコードをひとまとめにして見えてくることもあるってことですね。(注:写真のプレートから2800000番台が無いように見えるが、インタビューでは2700000番台のことを話しているので、恐らくプレートの後ろからがその番号帯なのでしょう。)
この写真を載せている“Dust & Grooves”というサイトにインタビューが載っていて、恐らく2700000番台はプリントされていないんじゃないかという発言がされている。チャンによると2600000番台はキャピトルレコードのロサンゼルス工場でプレスされているが、2800000番台はスクラントン工場でプレスされていることを調べたそうだ。ロスの工場で2700000番台までプレスする予定が変更されてプレスされなくなったとか、そんな感じなのかね。
他の写真やインタビュー(英語)は “Dust & Grooves” を見て下さい。
上記サイトの中に、彼が集めた『ホワイト・アルバム』から100枚を選んで、A面を再生したものを重ねた音源が公開されていて、「バック・イン・ザ・USSR」はまだ良いんだけど、次の「ディア・プルーデンス」から音がずれ始めていて、後半になるともうカオス状態で笑えるので、我慢強い方は是非聴いてみて。
この “We Buy White Albums” は2015年に日本でも展示されいたんだよね。当時も知っていたけど行ってないんだよね俺。
そして発見、この “We Buy White Albums” のインスタグラムがあった!もちろん写真はすべて『ホワイト・アルバム』。
リアルタイムでこのことを書かなかったので、50周年記念エディションが出るこのタイミングで思い出したから書いてみました。