メインストリートのならず者・その2

Pussy Galore / Exile on Main Street
これは、プッシー・ガロアが1986年にリリースした、ストーンズの『メインストリートのならず者』を丸々カバーしたアルバム。このアルバムの存在を知った時にはすでに入手困難で、もう何年もずっと聴きたいと思っていたものの1つ。先日ようやく「音だけ」入手することができた。


プッシー・ガロアは1985年ぐらいから1990年ぐらいまでに活動していたワシントンDC出身のバンドで、ここにいたジョン・スペンサーはこのバンドの後にジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンを結成している。いわゆるガレージ、パンクなバンドで、俺がリアルタイムで聴いていたときは「ジャンク」と形容されていた。

さて、このプッシー・ガロア版『メインストリートのならず者』だが、これがもう・・たいへん素晴らしい!通勤電車の中でずっと聴いていたが、自分で聴きながらニヤニヤしているのが分かってしまうぐらい。どうしようもないぐらいのハチャメチャさ。

「カジノ・ブギー」なんか、演奏している音源の上に、別の音がかぶさっていて、曲が途切れるし、「タンブリン・ダイス」は何回か録音したものをつぎはぎにしているし、所々に本家ストーンズの音が被さっているし、原曲が分からなくなってくるのもあれば、「シャイン・ア・ライト」のようにまるで曲じゃないものもある。

きっと生粋のストーンズファンが聴いたら怒るだろうなぁ。俺はもう大好き。音だけじゃなくて現物も欲しい。カセットオンリーのリリースなんだよね。

因みに88年にリリースした”Sugarshit Sharp”ってミニ・アルバムでは、アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンの目玉おやじキャラの胴体と、ストーンズのベロマークを合体させたロゴをジャケットにしていた。そう、この2バンドへの多大なるリスペクトを具現化しているバンドだということだ。

Pussy Galore / Sugarshit Sharp

(このレコードでカバーしているノイバウテンの “Yu-Gung” のカバーも秀逸)

だけど「ジャンク」と形容されるだけあって、音的には本当に「クズ」です、もちろん愛を込めてそう言ってるのだけど、”Sugarshit Sharp”を気に入った俺はその後”Groovy Hate Fuck” というレコードを買ったんだけど、これがもう聴くに耐えないほどの音の悪さで、よくこんなのレコードにしたなというぐらい。

「ファッキュー!ファッキュー!」叫んでるし、これはさすがにダメと思って、売り払ってしまったのだが、今は大変もったいないことをしたと後悔している。今になって無性に聴きたい。どのアルバムも今じゃ入手困難なんだよね。再発されないだろうか。

※2023年現在、Pussy Galoreの音源はそれなりに持っているので、”Groovy Hate Fuck”も聴けてます。