『ホワイト・アルバム』、ステレオとモノラル

ホワイト・アルバムたち

ビートルズの『ホワイト・アルバム』はステレオとモノラルはバージョン違いの宝庫だとは、前にも書いたような気がしますが、ちょいとここらでその違いを書いておこうと思う。

因みに、レコード・コレクターズ1996年11月で『ホワイト・アルバム』特集をした際に森山直明さんがステレオとモノラルの違いについて書かれていて、今から挙げるリストは基本的にそのレココレに基づいて俺が聴き取った結果として書かせてもらいます。ただし「★」で始まるものついては抜粋させていただきました。つまり「★」以外は両方を聴けばすぐに自分でも違いが分かったよってやつです。

Back In The USSR
冒頭のポールの “Oh~”という声がモノラルではフェイド・イン気味に入ってくるのであまり聴こえない。

Ob-La-Di,Ob-La-Da
モノラルではイントロに入っているハンドクラップがない。

Wild Honey Pie
モノラルは1秒ほど曲の終わりの余韻が長いので次の曲に入るタイミングが若干違う。
★レココレでは「水滴のような音」が入っているからと書かれているが、俺にはそれが聴き取れなかった。

While My Guitar Gently Weeps
曲の終わりのフェイド・アウトで、ステレオではジョージの”Yeah Yeah Yeah Yeah”というヴォーカルが入っているが、モノラルでは入っていない。

Happiness Is a Warm Gun
冒頭の”She’s not a girl who misses much” のあとに、モノラルだと小さくカウントを取る音が聴こえるがステレオではほとんど聴こえない。

Blackbird
鳥のSEに違いがあるようだけどどこが違うのか俺にはよく分からない。
★曲の終わりで、ステレオでは演奏後も鳴き声が聴こえるけどモノラルは演奏と同じタイミングで泣き声も終わるという微妙な違いも。

Piggies
モノラルのほうが豚の鳴き声のSEがデカイ!
★レココレにはSEの入るタイミングが違うとも書いてあったが、そこまではなかななか比べられなかった。

Rockey Raccoon
★ハイハットの入るタイミングが違う。ステレオでは43秒あたりからでモノラルは48秒あたりから。それを踏まえたうえで秒数を意識して聴いたらわかったw

Don’t Pass Me By
モノラルはピッチが速い(3分46秒、ステレオは3分51秒)。

Why Don’t We Do It In The Road
ステレオではイントロにハンドクラップがあるが、モノラルにはない。

I Will
★ベース(ポールが口で言っているらしい)がステレオではほぼ最初から入っているが、モノラルでは18秒ぐらい経ってから登場する。

Yer Blues
モノラルはフェイド・アウトが長い(4分14秒、ステレオ4分1秒)

Sexy Sadie
★モノラルではイントロでタンバリンが1回鳴るが、ステレオでは2回鳴る。

Helter Skelter
終盤の長いディストーションから演奏に戻る箇所で、ステレオでは派手な高音のホーンが入るがモノラルではドラムだけ。モノラルはフェイド・アウトしておしまいだが、ステレオではもういちどフェイド・インして最後にリンゴの叫び声で終わる。

Good Night
ステレオではフェイド・イン気味に始まるが、モノラルでは最初から音が大きい。

レココレを読むと他にもいくつか違う曲があるのだけど、よほど注意深く聴いて気づく程度かもしれないので割愛。といっても、こんなこと言われなきゃ気づかない場合が多いかもしれませんね。ビートルズ側は別にココを変えて聴く人に気づかせようとか、そんなことはまったく考えていなかったと思います。ステレオ、モノラルのミックスを作るうえで最適なテイクや
音を当てはめた結果がこうなったというだけでしょう。

でもやはり違うってわかると聴いてみたいし、それを見つけられたらなんか嬉しいものです。それを考えると、モノラルもボックスで限定ではなく、ステレオ盤とともにずっと売っていてほしいものです。

タイトルとURLをコピーしました