フリートウッド・マック『噂』のデラックスエディション

Fleetwood Mac / Rumours
Fleetwood Mac / Rumours

1977年にリリースされ、アメリカ国内だけで1600万枚を売り上げた
フリートウッド・マックの大ヒットアルバム『噂(Rumors)』が35周年を記念して
デラックス・エディションがリリースされた。俺が入手したのは3枚組のCD。

元々はブルース・バンドとしてスタートするも、メンバーチェンジを繰り返して
1975年にリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスが加入したことで、
アメリカナイズされたポップ・ミュージックをメインとするグループへ変貌。
このアルバムはそのラインナップになって2枚目となる。
全米アルバムチャートで31週間1位を記録し、グラミー賞ではイーグルスの『ホテル・カリフォルニア』を
抑えてのアルバム・オブ・ジ・イヤーになっている。

この時期のマックは、先の2人が加入したことによりヴォーカリストが3人となり
それぞれの作った曲の個性が売りとなっていた。
どこをとって聴いてみても普遍的なポップ・ミュージックなこのアルバムが
当時なぜこんなに売れたのか不思議でしょうがない。
もちろんメンバーの個性もあっただろうけど、
ちょうどAORが受け入れられ始めたのと同じようなタイミングで売れたということは、
大人向けのポップスだったってことなのだろうか?

Disc1は当然だけど『噂』がフルで入っている。
特筆する点としてはラストの”Silver Springs”って曲が収録されていることだろうか。
この曲はスティーヴィー作で、元々はアルバムに収録される予定だったのがオミットされたとか。
シングルのB面に追いやられたことにスティーヴィーはかなり怒ったらしい。
唯一の全米No1ヒットの”Dreams”や、”My Own Way”、”Don’t Stop”など名曲だらけ。
ちなみに”Don’t Stop”ってクリントン元大統領が選挙戦の時に使ってたな。
CD買ったことで久々に聴いたけど、いやぁ、良いアルバムだね。
今回久々に聴いて、クリスティン・マクヴィー作の”You Make Loving Fun”が非常に気に入っている。

Disc2は当時のライヴが収録されている。
このアルバムの曲がメインだけど、前作『ファンタスティック・マック』からの曲も何曲か。
しかしどうせならライヴをフルセット入れてくれればいいのにって思った。
それでディスクがもう1枚増えても構わないから。

そしてDisc3はデモ音源やレア・テイク集。
アルバムに収録されていない曲も入っている。
貴重だろうけど、そう何度も聴くタイプのものじゃないよね。

まあアルバムだけでも十分満足できるものだけど、どうせなら前作の『ファンタスティック・マック』も
同じような形態でリリースしてほしいよなぁ。個人的には82年の『ミラージュ』が大好きなんだけど。
それにしても、このアルバム前後の彼らってとんでもない状態だったよなぁって思う。
リンジーとスティーヴィーのカップルは破局し、ジョンとクリスティンのマクヴィー夫妻は離婚。
この2組はそれでもマックに在籍して一緒にレコード作ってるんだからな。グループの求心力の凄さときたら。
ついでにリーダーのミック・フリートウッドも離婚したばかりだったとか。
その後も87年までは活動していたけど、その後はこの5人の誰かしらが欠けていて、
もうその辺から俺も興味が無くなっちゃったんだ。

このアルバムは1977年だし、思い切り後追いなんだけど、どこか懐かしく感じる。
CDを入手したことで20年ぶりぐらいに聴きまくっているんだよ。

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