『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』スーパー・デラックス・エディション Disc1-3

The Beatles

『ホワイト・アルバム』のスーパー・デラックス・エディション、今回はディスク1から3について。ディスク1と2はアルバムの2018リミックス、そしてディスク3はアルバムを録音する前にジョージ・ハリスンの別荘で録音されたデモ、通称「イーシャー・デモ」を収録している。

The Beatles (White Album) Disc1 “2018 Remix”

  1. Back In The U.S.S.R.
  2. Dear Prudence
  3. Glass Onion
  4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
  5. Wild Honey Pie
  6. The Continuing Story Of Bungalow Bill
  7. While My Guitar Gently Weeps
  8. Happiness Is a Warm Gun
  9. Martha My Dear
  10. I’m So Tired
  11. Blackbird
  12. Piggies
  13. Rocky Raccoon
  14. Don’t Pass Me By
  15. Why Don’t We Do It In The Road?
  16. I Will
  17. Julia

The Beatles (White Album) Disc2 “2018 Remix”

  1. Birthday
  2. Yer Blues
  3. Mother Nature’s Son
  4. Everybody’s Got Something To Hide Except Me And My Monkey
  5. Sexy Sadie
  6. Helter Skelter
  7. Long, Long, Long
  8. Revolution 1
  9. Honey Pie
  10. Savoy Truffle
  11. Cry Baby Cry
  12. Revolution 9
  13. Good Night

2018リミックスは、ジャイルズ・マーティンによるもので「直感的なサウンドであること、頬をビンタされたような勢いのあるサウンド、そのうえで美しくなければならない」という音を目指していたと言う。

2009年のリマスター盤と比べると、より音が際立っているように聴こえる箇所もあるが、例えば “The Continuing Story Of Bungalow Bill” の冒頭のスパニッシュっぽいギターや、”Helter Skeler” のラストのリンゴの叫びとかはこれまでよりも音がオフ気味になっている。電車の中で聴いていると周りの五月蠅さに音が消されちゃうんだよね。

でも2009年リマスターよりもステレオ感が良くなっていると思う。例えば “Glass Onion” を聴き比べると、最初のダンッダンッ!ってドラム直後のベースとドラムの音は、2009年リマスターは泣き別れ感が強く感じるが、2018リミックスはより自然な感じに聴こえる。

これは好みが分かれるだろうなと思うけど、ジャイルズ・マーティン良い仕事したなって思ったね。『ホワイト・アルバム』が50年前の作品とは思えないくらい。

ちなみに68年にこのアルバムをリリースする際、曲順をどう決めたかというとこんな感じでこの並びにしたそうだ。

  • レコードの各面のトップはパンチのある曲を配置
  • 各面のラストは後に続く曲を探すのが難しい曲
  • ヘヴィな曲を(”Birthday” から “Long, Long, Long” までの流れ)をC面に集中
  • 同じコンポーザーによる曲が並ばないように配置
  • ジョージ・ハリスンの曲を各面に1曲ずつ配置
  • 曲名に動物が入るものはB面に集中

そして通常曲間は3秒ぐらいとるところを、できるだけ繋がるようにしたというのも特徴かね。『サージェント・ペパーズ』でもやっているけど。そうすることで一つの大きな作品のように聴かせることができるってことなんだろうね。

The Beatles (White Album) Disc3 “Esher Demos”

  1. Back In The U.S.S.R.
  2. Dear Prudence
  3. Glass Onion
  4. Ob-La-Di, Ob-La-Da
  5. The Continuing Story Of Bungalow Bill
  6. While My Guitar Gently Weeps
  7. Happiness Is a Warm Gun
  8. I’m So Tired
  9. Blackbird
  10. Piggies
  11. Rocky Raccoon
  12. Julia
  13. Yer Blues
  14. Mother Nature’s Son
  15. Everybody’s Got Something To Hide Except Me And My Monkey
  16. Sexy Sadie
  17. Revolution
  18. Honey Pie
  19. Cry Baby Cry
  20. Sour Milk Sea
  21. Junk
  22. Child Of Nature
  23. Circles
  24. Mean Mr. Mustard
  25. Polythene Pam
  26. Not Guilty
  27. What’s The New Mary Jane

ディスク3は通称「イーシャ―・デモ」と言われているもので、1968年5月のある日、インドから帰ってきた彼らはインド滞在中に作った曲を持ち寄ってジョージ・ハリスンの別荘に集まり、4トラックのレコーダーでデモ・テープを録音した。それがこのディスクに収められている曲で、90年代にはブートレグで出回っていたらしい。

俺もここ10年ぐらいでブートレグの音源を手に入れていたが、正直今回これが収録されるということにはあまり歓迎していなかった。せいぜい『ホワイト・アルバム』のデモで、しかもブートで有名なやつじゃんと。しかもブートで聴いた限りではあまり面白いと思わなかったからだ。

ところが、何度か聴いて気が付いたことがあって、今では今回の50周年エディションで最も重要なディスクじゃないかと思うようになった。それはここで聴ける4人がとてもリラックスしていて、特にジョンの曲はどれもとても賑やか、まるでパーティーみたいな雰囲気を醸し出している。もちろんポールもジョージもだし、ビートルズが平和だった最後の瞬間を捕えているような気がしてならない。

『ホワイト・アルバム』の録音時にはリンゴは一時脱退するわ、ジョージ・マーティンをはじめとするスタッフを軽視しているような態度になってしまったり、後の「ゲット・バック・セッション」では崩壊に入っていく彼らをいろいろな記録で知ってしまっているだけに、この「イーシャー・デモ」の平和な瞬間はとても貴重だと思った。

そんなわけで、もし「スーパー・デラックス・エディション」は高くて手が届かないという人には、通常の2枚組CDを買うよりは「イーシャー・デモ」がついた3CDデラックス・エディションを手に入れることをオススメします。

ディスク4から7については後日。