ザ・スターリンを聴き始めたころのお話(その4) – その後

ザ・スターリン伝説

ザ・スターリン伝説

リアルタイムでのスターリンを聴かなくなったけど、ザ・スターリンは時々聴いていた。22歳ぐらいの時には『trash』の中古盤をン万円で入手した。その3年ぐらい前には西新宿のレコード屋で58000円なんて値段で壁に飾ってあったのだけど、それよりもはるかに安かった。

俺の中で約4年近くもの間、ずっと伝説だったレコードを手に入れた時の高揚感と達成感は他ではまだ経験していないかもね。

そして年月が過ぎていって、10年以上が過ぎた。でも定期的にザ・スターリンのアルバムは聴いていたけど、ミチロウがソロをやったり、他のプロジェクトをやったりしていても他の音楽ばかり聴いていて全然チェックしていなかった。

2004年のある日、タワーレコードへ行ったときに偶然見つけたのが、写真の「ザ・スターリン伝説」という本。過去に週刊誌や雑誌に載った記事のスクラップと、それに対するミチロウのコメントが載っているもの。

さらに、テレビ埼玉の番組に出たときのライヴDVDがおまけというとんでもない本だった。しかもタワレコ特典として、インストアライヴの入場券!ライヴとその後のサイン会がセットとなっていた。

そしてインストアライヴ当日。確か俺の整理番号は結構若い方だったので前のほうに行けた。14年ぶりに見るミチロウ。確か1曲目は「オデッセイ・2004・SEX」だったと思う。イントロを激しくかき鳴らし「やりたいかぁーっ?」の声を聞いたとき、俺は涙が出てきてしまった。

久しぶりに見る生のミチロウ、そして歌。常に俺の好きなロックの根底にあったじゃないかということを思い出した。なのに何で離れてしまったのだろうと。

ライヴの後のサイン会で、多くの人は「ザ・スターリン伝説」にサインをもらっていた。時々レコードやCDを出している人もいた。俺は『trash』を差し出した。ミチロウはそれを見るなりレコードジャケットの裏を確認してこう言った、

「これ、本物だね」と。

『trash』は90年代にNagasaki Nightmare というレーベルからブートが出ていて、本物はミチロウが立ち上げたPolitical Records というレーベル名がプリントされている。もちろん、俺がン万円出して買ったのは後者。まだブートが出る前に入手したものだからね。

こうして俺は再びミチロウのライヴを見るようになり、今に至っている。元ザ・スターリンの杉山晋太郎はもう何年も前に亡くなり、ギターのタムも先月亡くなってしまった。ミチロウも一時期病気をしてたりしていたけど、これからも歌っていてほしい。俺のロックの師の1人なんだから。

「ミチロウさん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました」
俺がこんな状況になるまでやっていてくれればと思うよ、本当に。

長々とお付き合いありがとうございました。いつか書きたいと思っていたことがようやくという感じでした・・・。

コメント

  1. LA MOSCA より:

    いやぁ、このスターリンの続きもの記事、ホント面白かったです。
    刺激受けて俺も書きたくなりました。いづれ書きたいです。
    あまり語られることのないパラノイアスター、俺も思いいれ強いんで嬉しかったです。
    ライヴ音源とか、いつか聴いてみたいですよねぇ。
    うん、ここまで来たらミチロウにはまだまだ唄い続けてほしいですね。

  2. gase より:

    うらやましいです。
    そんな自分にとって特別なバンドが欲しいです。
    そんなわけで、これからも、ロックを追いかけていくんだと思います。

  3. hiroumi より:

    LA MOSCAさん
    久々にいろいろ思い出せて書いていて楽しかったですよ。
    あの時代に戻ってみたいものです。
    そしてパラノイア・スターを見たい。
    gaseさん
    特別なバンド、そうですね、
    そういうのってなかなか見つからない場合が多いから、
    自分は恵まれているというか、そんな感じがしますよw
    gaseさんもそういうバンドやミュージシャンにめぐりあえるといいですね。