Dalyl Hall & John Oates / The Atlantic Albums
この前はデュラン・デュランにはまっていると書いたけど、今度はホール&オーツ、しかもデビューから最初の3枚、アトランティック・レコード時代の楽曲にはまっている。いや、正確に言うなら前々から聴いているけど、俺がずっと持っていたのは左の『アトランティック・コレクション(The Atlantic Collection)』というやつで、ベスト盤的なアルバムだった。
それで、ちゃんとアルバム単位で聴きたいなと思ってAmazonを見ていたら、右の2枚組のアルバムを見つけてしまったので早速購入した(正しくはツイッターのフォロワーさんから教えてもらった)。
アルバムジャケットが示すように、彼らのデビューからの3作、『ホール・オーツ(Whole Oats)』、『アバンダンド・ランチョネット(Abandoned Luncheonette)』、『ウォー・ベイビーズ(War Babies)』の全曲と、この時期のベスト盤『サヨナラは言わないで(No Goodbyes)』のみに収められた曲とデモ曲が入っていて、この2枚組があれば初期はばっちり押さえられるというものだ。
Disc1はデビュー・アルバム『ホール・オーツ』全曲と2枚目の『アバンダンド・ランチョネット』全曲が入っている。久々に『ホール・オーツ』を聴いたけど、80年代の彼らのイメージで聴くと全然違いますね。ウィキペディアにも「ソフトロック」の文字が載っていたけどそんな感じもある。基本はレイドバックしたサウンドで、フォークな趣もある。ラストの”Lily (Are You Happy?)”が秀逸だよね。
『アバンダンド・ランチョネット』は言わずと知れた初期の名作ですね。”She’s Gone”がシングルカットされたけどさっぱり売れず、後に”Rich Girl”が全米No.1になった際に再リリースされてヒットしたという。当時の邦題は「追憶のメロディ」というのもいいね。アルバム全編が最高ですよ、フォークロックとソウルを混ぜたような感じが。特にジョン・オーツの”I’m Just a Kid”とか、”Had I Known You Better Then”が最高。初期の何がいいかって、ジョン・オーツのヴォーカル曲が多いことですよ。80年代に知った俺たちには、ダリル・ホールの後ろでギターを弾いている人にしか見えてなかったからね。
Disc2の最初の4曲はボーナストラック扱いで、”Past Time Behind”は1stアルバム録音時の未発表デモ音源。以降の3曲は彼らがRCAに移籍した後に、アトランティック・レコードがリリースしたベスト盤『サヨナラは言わないで』に収録されていた曲。”It’s Uncanny”なんかは当時のライヴ音源を聴くと1曲目にやったりしているから、それなりに重要な曲だと思うのだけど、アルバムには入らなかったのね。
そして5曲目以降は3rdアルバム『ウォー・ベイビーズ』から全曲。これは当時は異色と言われたアルバムで、トッド・ラングレンがプロデュースをしている。それまでのフォーキーな雰囲気から一変してプログレっぽくもあり、トッドらしい派手な音づくりとなっている。ホール&オーツの2人は気に入ってないみたいだが、俺はとても好きな1枚。
このCDはアメリカのライノ・レコードから出ていて、大変信頼のおけるレーベルなんだけど、『ウォー・ベイビーズ』の1曲目”Can’t Stop Music”と”Is It a Star”の繋ぎ部分が、本来はつながっているのに一瞬途切れてしまうんだよね。編集ミスなのだろうか、非常に残念。以前から持っていた『アトランティック・コレクション』ではちゃんと繋がっているのに。
まあでもこうして彼らの初期のキャリアを一気に聴けるのは非常にありがたいので、ちゃんと個々のアルバムで持ちたいというこだわりが無ければ十分おすすめできます。