Weather Report / Live In Berlin 1971
ウェザー・リポート(以下、WR)が、1stアルバムをリリースして間もないころのライヴ盤がポーランドのレーベルからリリースされた。これはジョー・ザヴィヌル・エステート公認のものなので、正規盤であり、ブートレグではない。
WRが1stアルバムをリリースしたのが、1971年5月12日。それから4か月後の9月3日に、ハンブルグのNDRラジオが主催したジャズ・ワークショップの一環として制作。西ベルリンの Haus des Rundfunksという場所で行われたコンサートを収録したものだそうだ。
Live In Berlin 1971-Disc1
- I Would Like To Tell
- Early Minor
- Fire Fish
- Early Minor (reprise)
- Sunrise
- Moto Grosso Feio
- Directions
Live In Berlin 1971-Disc2
- Morning Lake
- Waterfall
- Umbrellas
- Orange Lady
- Dr. Honoris Causa
- Eurydice
この時のWRの編成は
ジョー・ザヴィヌル(Key)
ウェイン・ショーター(Sax)
ミロスラフ・ヴィトウス(Bass)
アルフォンス・ムゾーン(Drums)
ドン・ウン・ロマン(Percussion)
の5人で、このライヴには他に3人のゲストミュージシャンが参加している。
エイエ・テリン(Trombon)
アラン・スキドモア(Sax)
ジョン・サーマン(Sax)
ディスク1ではヴィトウス作の “I Would Like To Tell”で始まる。と言ってみるものの、この曲はWRのアルバムには入ってないし、ヴィトウスのソロ作の”I Will Tell Him On You”なんじゃないかと思われる。他に3曲目と5曲目もヴィトウスの曲だが、こちらはWRのアルバムにもなければ、同時期の彼のソロ作にも入っていない。このCDで初登場なのだろうか?最初期のWRはあまり聴きこんでいないのでよく分かっていない。
“Early Minor”や”Directions”は後のWRのライヴ盤にも出てくるし、”Moto Grosso Feio”はウェイン・ショーターのアルバムのタイトル曲でもあるのは知ってる。
ディスク2はWRの1stアルバムの曲が大半で、こちらは馴染みがある。
ジャコ・パストリアスを介してWRを聴き始めたので、以前はこの初期WRがどうにも苦手だったんだけど、近年は1stを聴くことも多く、このライヴ盤は1stの拡大版のようにも思える。
ちなみにこのアルバムは、ポーランドの「GAD」というレーベルからリリースされており、11/8現在ではタワレコやディスクユニオン、HMVでは見かけない。ただ、この9月3日のライヴ音源はブートではすでに存在していたようなので、聴いたことがある人はそれなりにいそうだ。そして特筆すべきは、最初に述べたようにジョー・ザヴィヌル・エステート公認で、WRの公式サイトでも販売されているということだ。
俺はamassの記事で見た瞬間、ポーランド語のサイトを日本語訳にして即注文したので、ポーランドから届いたのです。「GAD Records」というレーベルは歴史が浅いようで、同レーベルの15周年をこのような素晴らしいアルバムで祝えるなんて光栄だと代表のMichał Wilczyński氏は言ってるそうだ(名前が読めない・・・)。
じきに日本にも入ってきて入手しやすくなることを願いたい。こんな良いアルバムを聴いている人が少ない状況はもったいなさすぎる。