ブロンディ / Against The Odds 1974-1982

 

Blondie / Against The Odds 1974-1982

Blondie / Against The Odds 1974-1982

去年の春ごろだっただろうか、ブロンディのオフィシャル・サイトのニュースでボックス・セットを企画中みたいな記述を見て、それは楽しみだと思いつつもなかなかリリースの発表もなく、いつの間にかそのニュースもオフィシャル・サイトから消えてしまっていた。

それが今年の春過ぎに突然アナウンスされた。形態としては8CD(オリジナル・アルバム6枚+ボーナス・ディスク2枚)のものと、そのLP版、そしてボーナストラックだけを集めた3CDとそのLP版で、俺は3CDのものを購入したので、ここではその内容を。

Against The Odds 1974-1982 Disc1

  1. Out In The Streets (1974)
  2. The Disco Song
  3. Sexy Ida
  4. Platinum Blonde
  5. The Thin Line
  6. Puerto Rico
  7. Once I Had A Love (1975)
  8. Out In The Streets (1975)
  9. X Offender (Intro)
  10. X Offender (Private Stock Single)
  11. In The Sun (Private Stock Single)
  12. Little Girl Lies (Private Stock Mix)
  13. In The Flesh (Extended Intro)
  14. A Shark In Jets Clothing (Take 2)
  15. Kung Fu Girls (Take 8)
  16. Scenery

ディスク1はデビュー前のデモ音源から1stアルバムの時期の曲が収録されている。最初の3曲はブロンディが結成された年の音源で、当時はのちにテレヴィジョンに移るフレッド・スミスがベースで参加している。2の”The Disco Song”は7の”Once I Had a Love”のプロトタイプと言ってもいいのだろうか、どちらも後の”The Heart Of Glass”の原型である。4,5,8は1stアルバムのボーナス・トラックに収録されているものと同じだと思う。そして10、11は、最初に契約したプライベート・ストックというレーベルからリリースされたシングルのテイクで、こちらも1stのボーナス・トラックとして収録されている。

Disc2

  1. Denis (Terry Ellis Mix)
  2. Moonlight Drive
  3. Bermuda Triangle Blues – Flight 45 (Take 1)
  4. I Didn’t Have The Nerve To Say No (Take 1)
  5. I’m On E (Take 2)
  6. Kidnapper (Take 2)
  7. Detroit 442 (Take 2)
  8. Poets Problem
  9. Once I Had A Love (Mike Chapman Demo)
  10. Sunday Girl (French Version)
  11. I’ll Never Break Away From This Heart Of Mine (Pretty Baby)
  12. Hanging On The Telephone (Mike Chapman Demo)
  13. Will Anything Happen (Instrumental)
  14. Call Me
  15. Spaghetti Song (Atomic Part 2)
  16. Die Young Stay Pretty (Take 1)
  17. Underground Girl
  18. Union City Blue (Instrumental)
  19. Llámame

ディスク2は2ndアルバム”Plastic Letters”から4枚目の”Parallel Line”までの時期の曲を集めている。まず目を引くのは2曲目の”Moonlight Drive”だろう。ザ・ドアーズのカバーでこれまで未発表だったもの。個人的にとても気に入ったのが12曲目”Hanging On The Telephone (Mike Chapman Demo)”。プロデューサーのマイク・チャップマンのデモというぐらいだから、恐らくヴォーカルをとっているのは彼なんだろうと思うが、半ば適当な感じが良い。ラストの”Llámame”は”Call Me”のスペイン語版といったところだろうか。ブックレットを読むと、南米のレーベルから打診があって録音したようなことが書かれている。

Disc3

  1. I Love You Honey, Give Me A Beer (Go Through It)
  2. Live It Up (Giorgio Moroder Demo)
  3. Angels On The Balcony (Giorgio Moroder Demo)
  4. The Tide Is High (Demo)
  5. Suzy & Jeffrey
  6. Rapture (Disco Version)
  7. Autoamerican Ad
  8. Yuletide Throwdown
  9. War Child (Chris Stein Mix)
  10. Call Me (Chris Stein Mix)
  11. Heart Of Glass (Chris Stein Mix)
  12. Nameless (Home Tape)
  13. Sightseer
  14. Sunday Girl (Home Tape)
  15. Theme From Topkapi (Home Tape)
  16. The Hardest Part (Home Tape)
  17. Ring Of Fire (Home Tape)

ディスク3はアルバム”Autoamerican”と”The Hunter”の後期にあたる。1曲目はこれまで未発表だったもので、後に”Autoamerican”に収録される”Go Through It”の原曲となる。最初はある映画の曲用に書いていたものらしい。8の”Yuletide Throwdown”は”Rapture”をベースにヒップ・ホップの創始者のひとりでもあるファブ・ファイヴ・フレディをフィーチャーした曲で、今年アナログでも再発されたのは記憶に新しいところ。9曲目から11曲目はクリス・スタインが各曲のベーシックトラックをいじくったもので、正直あまり面白くはない。12曲目以降はHome Tapeと題した、これもクリス・スタインが所有するカセットテープからの音源。

 

ここに収録の音源は、オリジナル・アルバムのボーナス・トラック等で聴けるものが大半で、コアなファンにとったらそれほどありがたみのあるボックスではないかもしれないが、アルバムとは別で楽しむにはうってつけのアイテムだと思う。ブックレットも豪華で、日本語訳がないから読むのに苦労するけど、曲を聴きながら各曲の彼らのコメントを読めば理解が深まるだろう。

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