極私的オールタイムベスト50アルバム【その3】

Frank Zappa / Uncle Meat
Frank Zappa / Uncle Meat(1969年)
生前だけでも60枚ぐらいのアルバムをリリースしていたフランク・ザッパ。それだけあれば好みも人それぞれだろうけど、この”Uncle Meat”は映画のサントラとして制作されたにも関わらず、肝心の映画は完成せず、後にVHSでリリースされた。当時のマザーズ・オブ・インヴェンションの集大成的な側面もあり、だけどその音楽は断片的で、一聴して「これはいい!」なんて思う人はなかなかいないんじゃないだろうかと思う。俺も正直とっつきにくいと思っているのにこういう場面で取り上げるのは、難解だけどなんだか好きという実は曖昧な理由からだ。だけど通して聴くなんて1年に1回もないし、この前聴いたのは何年ぶりかって話だ。ところで、このアルバムはCD化にあたって、ディスク2の冒頭に映画”Uncle Meat”からのセリフが40分近く収録されているんだけど、当然そのトラックはインポートしていないし、聴く気にはなれない。
関連記事:この「いたち野郎」め!

Jaco Pastorius / Word Of Mouth
Jaco Pastorius / Word Of Mouth(1981年)
ジャコ・パストリアスと言ったらもちろんファースト・アルバムだけど、ビッグ・バンドを導入したこのアルバムも素晴らしく、俺はいつもこっちを選ぶ。ベーシストとしてのジャコをばっちり披露しながらも、作曲家としても最高であることをこのアルバムは示してくれている。でもアメリカでは売れなくて、その後に出すつもりだった”Holiday For Pans”もスティールパンのアルバムだから拒否されてワーナーから契約切られちゃうんだよね。ジャコは時代を先取りしていたんだと思う。もしスティールパンのアルバムを90年代に出すと言ってたらすんなり出て、大絶賛されていたんじゃないかという気がする。同時期に録音していたと思われるこの2枚のアルバム、片方は今も評価されて、もう片方は海賊盤扱いというのはなんとも残念だ。
関連記事:ジャコ・パストリアス / ジャコ・パストリアスの肖像 – 1AB

Jamiroqual / Emergency on Planet Earth
Jamiroqual / Emergency on Planet Earth(1993年)
当時ロッキング・オンのレビューでは『インナーヴィジョンズ』の頃のスティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせると紹介されていたから買って、見事にはまった1枚。当時実は無職で、家の暗い部屋で1日中聴いていたことを思い出す。今でもジャミロクワイでいちばん多く聴くのはこのアルバムだ。また、これと同時期にはまったのが・・・後で書く予定のオリジナル・ラヴだった。

The Jon Spencer Blues Explosion / ACME
The Jon Spencer Blues Explosion / ACME(1998年)
“Orange”や”Now I Got Worry”の方が好きではあるが、ベストとして挙げるならこの”ACME”になる。当時これを聴いたときに思ったのは、もしローリング・ストーンズが90年代に出てきたバンドだったら、きっとこのアルバムのような音楽をやっていたんじゃないかと。それだけJSBXからはブルースの要素を感じ取ったわけだ。いま聴くとやや落ち着き始めたあたりに位置するアルバムだけど、根底はいまも変わっていないところが良い。

Joy Division / Closer
Joy Division / Closer(1980年)
重い雰囲気のジャケットに楽曲、そしてイアン・カーティスの自殺、何もかもがマイナスな要素で満ちているアルバムだなと思うのだが、アルバムが終わりに向かっていくにかけて「希望」のようなものを感じてしまう。もちろん雰囲気だけでそう思っているのだけど、そう思っているからこそいまも聴き続けているのかもしれない。唯一無二の空気感がここにはあって、それだけにイアン・カーティスを失ったことは残念だと思う。

タイトルとURLをコピーしました