このアセテート盤は・・・

Yahooオークションでたまたま見つけたのだが。
イマジンのアセテート盤?
ジョン・レノン「イマジン」のアセテート盤として出品されていた。
アセテート盤というのは、
アナログレコードを生産する前段階のレコードで、
サンプル盤とか、音の調整用に作られたもの。
俗に言う非売品なので、コレクターになると
こういうものも欲しくなるようだ。
(俺はモノよりも、中に入っている音に興味があるほうかな)
で、この「イマジン」のアセテート盤なんだけど、
この手のモノには詳しくないが、
そんな素人な俺が見ても怪しいと思う箇所が2つある。

この盤を見ると、ボールペンのようなもので手書きで
曲名とアーチスト名が書かれている。
「イマジン」はジョン・レノン名義の曲であって、
ビートルズの曲ではない。にも関わらずジョンの名前とともに、
“The Beatles” と書かれているのがとても不自然。
原曲は1969年の「ゲット・バック・セッション」で聴けるらしいが、
あのセッションからアセテートを作るとは思えないし、
仮に作るとしたらビートルズ解散後だと思うし、
そうだとしたらわざわざ書かないでしょう、ビートルズの名前を。

まあこの辺は俺の憶測に過ぎないし、
詳しいことは分からないが、もうひとつのほうは明らかに変だと思った。
盤面に思い切り”PARLOPHONE”と書かれている点。
パーロフォンとはビートルズのレコードをリリースしたEMI傘下のレーベルだが、
1968年以降はアップル・レコードからのはず。
アセテート盤とはいえ、こんな堂々とパーロフォンなんて書かないだろう。
見た瞬間吹いてしまったぐらいだし。
(これで本物だったら自分自身に吹いてしまうが・・・)

もっともらしく見せてるけど、
どうも俺にはニセモノのように見えてしょうがない。
アセテート盤が本物かどうかなんて見抜ける人はそうそういないだろうし、
なんか騙されそうな代物だよなぁ。
オークションを眺めてみると、他にもビートルズのアセテート盤が
いくつかあるようだけど、どうなんだろうねぇ?
どれも数万円って値段がついているんだよ!
まあ本物だったら俺の見る目がないってだけで済むことだからいいんだけどさ・・・。

コメント

  1. JUN LEMON より:


    初めまして。遅いレスですみません。
    これは間違いなくニセモノですね。この手の
    アセテート盤がかなり出回っています。
    ヤフーのオークションで最近出回っていたも
    のは殆どニセモノです。それらのアセテート
    の文字(筆跡)がみんな同じというのも笑える
    のですが。買った人、可哀そう。

  2. hiroumi より:


    JUN LEMONさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    記事のオークションを見つけたときに、他のアセテート盤もいくつかありましたが、
    おっしゃるとおりどれも同じ筆跡で書かれていました。
    何でイマジンとハード・デイズ・ナイトあたりの盤で
    同じ作りなんだと思って疑ったのですが、やはりニセモノでしたか!
    ブログを拝見しました、すばらしいコレクションの数々で素晴らしいです。
    今度またおじゃまさせていただきます。

  3. 胴長犬 より:


    アセテートをGoogleで探っていてたどり着きました。大分時差がありますが、僭越ながらちょっとだけ書かせて頂きます。

    家にも一枚、アセテート盤があります。名もないバンドですが、そういう意味では本物と言えるでしょうか。

    タイトル、アーティストの部分は家にあるのも手書きです。盤と諸々の表記は印刷で、後からその部分は手書きされるのが普通ではないかと考えます。よって、もし仮に書かれなかった場合は、後天的に誰かが書いたとも考えられます。そうなると、The Beatlesの表記も余り関係ないでしょうか。

    聞いた話で確かではないですが、通常は1枚のレコードに2~3枚のアセテート盤しか存在しないそうなので、一々印刷したラベルと貼るのは理にかなっていません。大物とは言え、この辺りは一緒ではないでしょう。

    私的には、その手書き部分より「NOT FOR SALE」の文字が気に成ります。どう見ても売り物の見えない盤に、果たしてこれを表記するか少々疑問。

    また、「ARTISTE」という表記も謎。最後の「E」は英語では通常要りません。そのままだと、フランス語です。しかし、最後には確りと「MADE IN ENGLAND」と入っている。謎は深まります。

  4. hiroumi より:


    胴長犬さん
    いろいろご指摘ありがとうございます!
    言われて見ると、Not For Sale は確かに変ですね、もともと売り物にする予定のものではないし。
    どちらにしろ、これは後から誰かが作ったもののようですが、
    こういう細かいところまで見極めないとなりませんね、コレクターさん達は大変だ・・・。

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