以前も紹介した、インドネシアの第2の都市、スラバヤ出身のバンド、Thee Marloes(ジ・マーローズ)の1stアルバム『Perak(ぺラック)』がリリースされた。ぺラックとはスラバヤにある港の名称だそう。インドネシアというとジャカルタが思い浮かぶが、彼らなりの出身地への拘りがタイトルとなっているのだろう。
ジ・マーローズはヴォーカルとキーボードのナタッシャ・シアンツリー、ギターのシナティリヤ・ダッラカ、そしてドラムのトミー・サトウィックからなるトリオで、2019年から活動している。
俺が最初に聴いた彼らの曲は2021年か2022年、「Nanti」という曲が東南アジアっぽさとラテン・アメリカが混ざったような不思議な感じで気に入ってBandcampで購入した。
まだこのころは、Thee Marloes Rhythmと名乗っていたようで、紅一点のナタッシャもまだ参加していなかった。ナタッシャが参加してからは彼女がヴォーカルを担当するようになり、いまの形態が出来上がったようだ。
そして、現在のところ彼らの曲で最もキャッチーなのが「Midnight Hotline」だろう。
それまでにもシングルを数枚リリースしていて、数日前に待望のアルバムが出たというわけだ。
Thee Marloes / Perak
- I Know
- Logika
- Summer
- Midnight Hotline
- Beri Cinta Waktu
- True Love
- Mungkin Saja
- Not Today
- Over
- No One Else
- Nona
- Thank you
全12曲で、アナログではA面B面共に6曲ずつ。2, 5, 7, 11 曲目はインドネシア語で歌われていて、あとは英語。写真を見てもらえば分かるように、輸入盤仕様の日本盤(?)なので、歌詞対訳やメンバーのインタビュー、さらにはステッカーまで付いている。
彼らを形容している言葉が「チカーノ・ソウル」で、チカーノとはメキシコ系アメリカ的なもので、先ほどラテン・アメリカっぽいと書いたが、どうやら俺の感覚は間違っていなかったようだ。
割とミドル~スローテンポの曲が多く、とても聴きやすいアルバムとなっている。サブスクでは2か月ぐらい前から収録されている曲の半分ぐらいは聴けたので、すでにかなり聴いている感じがする。10月には来日するんだけど、観に行こうかなと思っている。
2023年9月のライヴの映像があって、これがまたよい。閲覧した人のコメントに「いいねが48しかついてないって信じられない」とあったが、まったく同感。
初っ端に演奏しているのは、インドネシアの70年代のグループ、The Black Brothersの「Saman Doye」という曲なのだが、こういうところをさりげなく持ってくるのが良い。