たまたま耳にした曲が気に入って何気に聴いていたんだけど、このThe Cottonsというグループ名について調べてみたら、前回紹介したThee Marloes に続いてこちらもインドネシアのグループだった。
The Cottonsは夫婦デュオのようで、ジャカルタを拠点として活動している。2016年にシングル “It’s Only a Day” と “Yesterday Is Gone”でデビュー。インドネシアのVoiというサイトの日本語訳を読むと、この2曲は2016年の時点で「インドネシアのポップ・ミュージックの未来がこれらの曲にある」と評価されていたようだけど、その後音信不通となっていたようで、今回の”Harapan”という4曲入りEPは実に8年ぶりの作品となるらしい。
- Harapan, Pt.1
- Harapan, Pt.2
- Harapan, Pt.3
- Ashes of Hope
Harapanとは、インドネシア語で「希望」を意味する言葉であり、決して「腹パン」のことではない。
EPにはその”Harapan”がパート1からパート3まであって、組曲のようにつながっている。インドネシア語なので何を歌っているのかまったく分からないが、パート1では前向きな感情がヴォーカルから伝わってくる。後半はモーグのようなキーボードとギターが重なり合ってプログレ的な展開をみせる。
そのままパート2に入り、今度はちょっと切なさを含んだ雰囲気が伝わってくる。ヴォーカルよりも演奏のほうが多い。たぶんそれが俺に「切なさ」を感じさせる理由かもしれない。実際のところはわからないが。
パート3はスネアがタンタンと鳴るところから入り、これまで女性ヴォーカルのみだったのが、男性ヴォーカルも加わり新たな展開を見せる。最終的に曲はフェイドアウトして終わってしまうが、ここまでの3曲の繋がりがとても素晴らしい。
4曲目もタイトルを見たら「Hope」という言葉が入っているが、タイトルを直訳すると「希望の灰」みたいな感じなので、もしかすると”Harapan Pt.1~Pt.3”で歌い上げたものが最終的に崩れ落ちていくような意味なのだろうか。
歌詞がまったくわからず曲の雰囲気とタイトルだけで書いているから、真っ正直に受け取ってもらいたいくはないが、わずか20分のEPにストーリーがありそうな印象を受ける。
このThe Cottonsについては、日本語で紹介されたサイトがないので詳細がまったく不明だが、先にリリースしたシングルがインドネシア内で評価が高かったというのは今回のEPを聴いても頷けるものだと感じた。今後も彼らの動きをチェックしていきたいが、またしばらく音信不通なんてことにはならないでもらいたいものだ。