Tears For Fears / The Seeds of Love (Super Deluxe Edition)
ティアーズ・フォー・フィアーズ(以下、TFFと記載)、1989年発表の3rdアルバム『シーズ・オブ・ラヴ(The Seeds Of Love)』がスーパー・デラックス・エディションとして4CD+Blu-rayでリリースされた。
内容は以下の通り、曲目は省略する。知りたい方はこちらを。
CD1 : The Seeds Of Love (Remaster)
CD2 : The Sun (45s & B-Sides)
CD3 : The Moon (Radio Edits & Early Mixes)
CD4 : The Wind (Demos, Diversions & Jams)
Blu-ray : The Rain (Mixes)
中身のことより、個人的なことを。
TFFは1985年に『シャウト(Songs From The Big Chair)』をリリースしてからこのアルバムに至るまでに4年もかかっていた。当時俺は次のアルバムが待ち遠しいなんて思っていたが、いざリリースされたこのアルバムは正直ピンと来なかった。
『シャウト』みたいな重い雰囲気を期待していたのだけど、それとは真逆の、まさにジャケットのような太陽が降り注いできそうなカラフルな印象を受けた。俺が求めるTFFとは違うことに戸惑い、CDは早々に売ってしまったという過去がある。あと、当時受け付けなかったのが曲の長さ。プログレじゃないんだし、7分や8分の曲なんて入れるなよ掴みづらいって思ったのも覚えている。
このBOXも正直買うか買うまいか迷っていた。あれだけ好きだった『シャウト』のボックスセットだって今じゃまったく聴かないんだから、当時受け付けなかったこのアルバムならなおさら一回聴いて終わるんじゃないかと。しかし実際にはこのボックスの4枚のCDをすでに4回か5回は繰り返し聴いている。
そう、なんだかいまはこのアルバムの方が馴染んでくるのだ。そしてそんな耳で何度も曲を聴いていると、当時は単なる聴かず嫌いだったのかもと思えてきた。リマスターされたからかもしれないけど『シャウト』とは比べ物にならないぐらい音が厚いし、1曲1曲もよく作りこまれてきて、尺は長くてもポップソングしている。曲の展開すら覚えてなかったけど、何度も聴いて覚えてきたらアルバムがあっという間に終わってしまう。
そして4枚のCDのうち、2枚目から4枚目までは基本的にアルバムの曲のシングルバージョンや別バージョンばかりで何度も同じ曲を聴く羽目になるのだけど、全然飽きがこない。こうなってくるとBlu-rayのスティーヴン・ウィルソンによる5.1ch盤も聴きたい・・・機器がないのでいまは無理だが。
何が言いたいのかというと、BOX買っておいて良かったなと。30年経ってやっと『シーズ・オブ・ラヴ』を良いと思えるようになったよ。
余談だけど1989年当時、俺は友人にこのアルバムをテープに録音してあげたのだが、しばらくしてその友人がテープが変ななっちゃったからもう1回入れ直してほしいとテープを持ってきたのだが、その時すでに俺はCDを手放していてガッカリされたことがある。しばらくはそのことについて何度か話のネタにされてたけど、さすがにもう覚えてないだろうな。