Tears For Fears / The Tipping Point
ティアーズ・フォー・フィアーズの新譜がリリースされた。2004年の”Everybody Loves a Happy Ending”(イギリスでは2005年リリース)以来だから17年、18年ぶりということになる。そして通算7枚目というからなんという寡作。
今回のアルバム、タイトルだけは2017年ぐらいには発表されていたが、それから5年経ってからようやくリリースされている。読んだインタビューによると、当初は若手のソングライターと組んで製作を始めたらしいが、それがしっくりこなくて、今回プロデューサーとしてクレジットされているサシャ・スカーベックとのセッション以外はすべてボツにしたりと、紆余曲折していたようだ。
- No Small Thing
- The Tipping Point
- Long, Long, Long Time
- Break The Man
- My Demons
- Rivers Of Mercy
- Please Be Happy
- Master Plan
- End Of Night
- Stay
- Secret Loacation (bonus track)
聴く前まではまあそれなりのクオリティだろうという、それほど高い期待はしていなかったが、気がつくと何度も何度もリピートしている。どこをとってもTFFだわこれ。
80年代の諸作に匹敵するぐらいの傑作なんじゃないかと。少なくとも俺はそう思いながら聴いている。初期からあった「痛み」のようなものがこのアルバムから伺えるところなんかも変わっていないというか。たぶんそれはタイトル曲や”Please Be Happy”といった曲がローランド・オーバザルが奥さんを亡くしたことがテーマになっているからかもしれないが、それは俺の考えすぎかもしれない。とは言っても、昔の音をなぞっているだけではない、いまのTFFが確かにここにあると言わんばかりのアルバムだ。
イギリスでは”The Seeds of Love”以来の全英No.1になるのではとも言われていて、これならなってもなんら不思議ではないし、これを機に若い人たちにも聴いてもらいたいなと思う。