Sonic Youth(ソニック・ユース)/ Hold That Tiger

Sonic Youth / Hold That Tiger

ソニック・ユース(以下、SYと記載)の1987年、アルバムでいうと『Sister』の頃のライヴ盤が再発された。後で書くが、単なる再発とはちょっと違うところが今回の売りかと思う。

1990年、SYはゲフィン・レコードと契約しメジャーデビューをした。一方で「創作の自由」という契約も手に入れ、自主レーベルを立ち上げてはいろいろな音源をリリースしていた。これもそのひとつで、ゲフィンを皮肉った Goofin’という名のレーベルの第2弾としてアナログで発売された。

このライヴ音源は、1985年ぐらいからSYのライヴを何度も見に行っているアダム・ジェイコブスという男によってカセットに録音された。それをSYが入手したというのが経緯として、今回再発されたCDに書かれたサーストンの回顧録に記載されている。

以前のCDを持っている人ならわかるかもしれないが、このライヴ音源は全体的にピッチが速い。なぜかというと、アナログレコードに収まるように行った措置だったようで、他の彼らのライヴ音源と比べると演奏が早く感じられて違和感があった。

それが今回、ピッチが修正され、リマスタリングもされたのだが、これが今回の再発のいちばんのポイントだろう。以前の盤はいかにもブートレグって印象を与えてくれたが、新盤を聴くと音も良くなっているし、カセット録音とは思えないクオリティになっている。

いまではアルバム・リリース毎のライヴがほぼ出そろっている感があるが、それらの中でこのアルバムが貴重なのがラモーンズのカバーが4曲も入っていることだろう。そこはもとがブートレグまがいだっただけある。

  1. Intro
  2. Schizophrenia
  3. Tom Violence
  4. White Kross
  5. Kotton Krown
  6. Stereo Sanctity
  7. Brother James
  8. Pipeline/Kill Time
  9. (I Got A) Catholic Block
  10. Tuff Gnarl
  11. Death Valley ’69
  12. Beauty Lies In The Eye
  13. Expressway To Yr. Skull
  14. Pacific Coast Highway
  15. Loudmouth
  16. I Don’t Wanna Walk Around With You
  17. Today Your Love, Tomorrow The World
  18. Beat On The Brat

余談だが、本作はSYが立ち上げたGoofin’というレーベルの第2弾としてリリースされているが、第1弾は1988年にBBCラジオのジョン・ピール・セッション出演時に披露したThe Fallのカバーも収録した12インチ『4 Tunna Brix』である。

そしてジャケットだが、ここに写っているのはサーストンやキムではなく、元SYのドラマーで、当時プッシー・ガロアに在籍したボブ・バートとジュリー・カフリッツの2人。サーストンによると、この写真が完璧に当時の雰囲気を捉えており、最高にかっこよくて面白いと思ったため、アルバムカバーに採用したとのこと。