ステレオラブ『Electrically Possessed [Switched On Vol.4]』

Stereolab / Electrically Possessed [Switched On Vol.4]

Stereolab / Electrically Possessed [Switched On Vol.4]

ステレオラブは2009年に活動を休止し、10年後の2019年に活動を再開した。活動再開後に最初にリリースされたのがこのアルバム。副題に”Switched On Vol.4″とついていて、このシリーズとしては23年ぶりのリリースだそうだ。

彼らはアルバム以外にも多くのアイテムを多数リリースしている。アルバムに収録されないEPはもちろんのこと、それらが一般の流通だけでなく、メール・オーダーやコンサート会場限定とか、誰かとのスプリット・シングルやコンピレーションの参加など。それらを今から集めるのはとんでもない労力がかかりそうだが、そうした音源をまとめたのがこのSwitched Onシリーズというわけだ。

俺はこのバンドは1999年の『ミルキー・ナイト(Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night)』から聴き始めたのだけど、この”Switched On Vol.4″は1999年から2008年までのレア曲を集めていて、楽曲的の雰囲気としては割と馴染みがあるように思える。2002年のメアリー・ハンセンの事故死以降、特に2000年代後半になるとパワーダウンした感があったので、個人的にはこれを機にちゃんと聴きなおしたいといったところだ。

ディスク1

  1. Outer Bongolia
  2. Intervals
  3. Barock-Plastik
  4. Nomus Et Phusis
  5. I Feel The Air (Of Another Planet)
  6. Household Names
  7. Retrograde Mirror Form
  8. Solar Throw-Away (original version)
  9. Pandora’s Box Of Worms
  10. L’exotisme Interieur

ディスク2

  1. The Super It
  2. Jump Drive Shut-Out
  3. Explosante Fixe
  4. Fried Monkey Eggs (instrumental version)
  5. Monkey Jelly
  6. B.U.A
  7. Free Witch and No Bra Queen
  8. Heavy Denim Loop Pt 2
  9. Variation One
  10. Monkey Jelly (beats)
  11. Dimension M2
  12. Solar Throw-Away
  13. Calimero
  14. Fried Monkey Eggs (vocal)
  15. Speck Voice

2枚組全25曲、発表順に並んでいないのでどの曲がいつの曲なのか把握しにくいが、ディスク1の最初の7曲は2000年にリリースされた”The First of the Microbe Hunters”からで同EPから全曲が収録されている。

ディスク1の8曲目はディスク2の12曲目のオリジナルバージョンで、後者とディスク2の2曲目は2006年のツアー会場限定の7インチに収録されていた曲。前者は今回初めて陽の目をみたとのこと。

ディスク1の9曲目は、1997年のアルバム”Dots and Loops”のセッションからのアウトテイク。

ディスク1の10曲目とディスク2の3曲目は2008年のアルバム”Chemical Chords”のツアー会場限定7インチに収録されたもの。

ディスク2の1, 4, 5, 14曲目は”Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night”のツアー会場限定7インチからの曲で、5曲目とはバージョンが違う10曲目は未発表曲。

ディスク2の6曲目はちょっと異色で、NYの造形作家であるチャールズ・ロングの作品のための作られた曲とかでこれまで未発表というか、作品を通して聴けるのみだった。

ディスク2の7曲目および15曲目は2001年のアルバム”Sound Dust”のツアー会場限定7インチに収録されたもの。

ディスク2の8曲目は1994年のアルバム”Mars Audiac Quintet”のセッションからのアウトテイクで、今回の収録曲の中では最も古いもの。

ディスク2の9曲目は映画「Moog」のサントラに収録された曲。モーグとはもちろんシンセサイザーの元祖ともいえるモーグ(昔はムーグと言ってましたね)の発明者であるロバート・モーグ博士のこと。

ディスク2の11曲目は、2005年のコンピレーションアルバム”Disko Cabine”に提供した曲。

ディスク2の13曲目は、シャンソン歌手のブリジット・フォンテーヌとコラボした曲で、1999年のリリース。個人的にはこの曲が本アルバム中最も凄い曲だと思う。

以上が “Electrically Possessed [Switched On Vol.4]”の収録内容で、日本盤を購入したのでそこの解説をもとに説明を書いてみた。ほとんどの曲が『ミルキー・ナイト』以降のものだが、いわゆる「寄せ集め」感がないところがさすがだ。10年ぶりに復活した彼ら、今度は全編新曲のアルバムを期待したいところなのだが、今年来日するんだよね(去年の予定が延期になった)、チケット払い戻し分販売されないかな。観たい。