まだ実際のモノは買っていないが、Spotifyでデラックス・エディションを何度か聴いたので、ちょっとだけ感想を。
Disc1 2019 Stereo Mix
- Come Together
- Something
- Maxwell’s Silver Hammer
- Oh! Darling
- Octopus’s Garden
- I Want You (She’s So Heavy)
- Here Comes The Sun
- Because
- You Never Give Me Your Money
- Sun King
- Mean Mr Mustard
- Polythene Pam
- She Came In Through The Bathroom Window
- Golden Slumbers
- Carry That Weight
- The End
- Her Majesty
ディスク1はアルバムの2019年リミックスで、『サージェント・ペパーズ』、『ホワイト・アルバム』の時と同様にジャイルズ・マーティンがミックスを行っている。当時の雰囲気を壊さず、かつ現在にも通用するミックスについては俺はとても好きで、今回も例外ではない。
CDからではなく、ストリーミングで通勤中に聴いているので細かいところまでは注意がいかないが、「カム・トゥゲザー」の終わりの方のジョンの “Ah” といううめき声がオフ気味なのが気が付いた。さらに「アイ・ウォント・ユー」の中間のギターソロは2009年リマスターとはどこか違うようにも聴こえるし、キーボードがよく響いている。
今回のリミックスではこれまでちょっと奥に引っ込んでいたようなキーボードやコーラスがより際立っているような感じだ。やっぱりCD欲しくなってきたよ。
Disc2 Sessions
- I Want You (She’s So Heavy) (Trident Recording Session & Reduction Mix)
- Goodbye (Home Demo)
- Something (Studio Demo)
- The Ballad Of John And Yoko (Take 7)
- Old Brown Shoe (Take 2)
- Oh! Darling (Take 4)
- Octopus’s Garden (Take 9)
- You Never Give Me Your Money (Take 36)
- Her Majesty (Takes 1–3)
- Golden Slumbers/Carry That Weight (Takes 1–3 / Medley)
- Here Comes The Sun (Take 9)
- Maxwell’s Silver Hammer (Take 12)
Disc3 Sessions
- Come Together (Take 5)
- The End (Take 3)
- Come And Get It (Studio Demo)
- Sun King (Take 20)
- Mean Mr Mustard (Take 20)
- Polythene Pam (Take 27)
- She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)
- Because (Take 1 – Instrumental)
- The Long One (Trial Edit & Mix – 30 July 1969)(Medley: You Never Give Me Your Money, Sun King, Mean Mr Mustard, Her Majesty, Polythene Pam, She Came In Through The Bathroom Window, Golden Slumbers, Carry That Weight, The End)
- Something (Take 39 – Instrumental – Strings Only)
- Golden Slumbers/Carry That Weight (Take 17 – Instrumental – Strings & Brass Only)
そしてデラックス・エディションには2枚のセッションを収めたCDとBlu-rayディスクがあるわけだが、ここではセッションを。
正直、俺は『アビイ・ロード』のセッション音源はそれほど惹かれないのだけど、この2枚のCDに収録されているなかではCD2の「アイ・ウォント・ユー」がすごく良いと思った。キーボードがより官能的な響きを放ち、ギターも派手。ここからかなり削って正規のバージョンになったのかと。このバージョンでリリースされていたら全然違うアルバムだったろうなと思う。そのぐらいインパクトあるテイクを初っ端に持ってくるとは。
あとは「ゴールデン・スランバーズ」のイントロを弾いて”Day after day”と歌うポール。もちろんこれは「フール・オン・ザ・ヒル」の出だしで、確かにイントロ似てるわってなる。
そしてやはり目玉は「ザ・ロング・ワン」でしょう。いわゆるB面メドレーのプロトタイプ。上記に括弧書きでも曲目が並んでいるが、「ハー・マジェスティ」が「ミーン・ミスター・マスタード」と「ポリシーン・パン」の間に入っているもの。これは1969年7月30日にバラバラだった曲を繋げる作業をしたが、ポールは「ハー・マジェスティ」の位置がいまいちと判断してテープから切り取ることをエンジニアに指示。エンジニアはそのテープをメドレーを編集したテープの最後に繋げておいたという偶然から今の形なっているんだよね。
だから「ハー・マジェスティ」の最初は派手なジャーーンッ!って音が入っていて、最後は尻切れトンボみたいに終わるわけなんですよ。ブートレグで何度か聴いているけど、正規にリリースされたのは嬉しいね。
いくつかは恐らく『アンソロジーVol.3』にも収録されているテイクも含まれているし、上記で書いたもの以外はもうちょいじっくり聴いてからじゃないと何ともいえないかな。「オー!ダーリン」はやっぱりあのテイクを聴きたかったな。
まあそれは置いといて、『アビイ・ロード』は完成度が高いからアウトテイクを聴きたいとはあまりならないのが正直なところ。それよりも俺は早くも来年出るであろう『レット・イット・ビー』の50周年エディションに期待したい。ゲット・バック・セッションを少なくともCD5枚ぐらいにしてもらいたいし、Blu-rayにはこれまでなかなか再リリースされない映画「レット・イット・ビー」を収録してほしい。欲を言えばゲット・バック・セッションはCD100枚になってもいいから全部だしてもらいたいよね。買えなくなっちゃうだろうな、高すぎて。
しかしそんなことを言いながらも、『アビイ・ロード』のデラックス・エディションはいずれ入手しますよ。