YMOの『BGM』と『テクノデリック』の2019 Bob Ludwig Remaster を購入した。当初アナログにしようかと思っていたけど結局CDとなった。
BGM
- Ballet(バレエ)
- Music Plans(音楽の計画)
- Rap Phenomena(ラップ現象)
- Happy End(ハッピーエンド)
- 1000 Knives(千のナイフ)
- Cue(キュー)
- U-T(ユーティー)
- Camouflage(カムフラージュ)
- Mass(マス)
- Loom(来たるべきもの)
俺がもともと持っていたこのアルバムのCDは1990年代前半にアルファ・レコードからリリースされたもので、その後リマスターもされていたようだが、30年近く聴いていたCDとは比べ物にならないぐらい音がきれいになっている。
旧盤は音がこもったような感じに聴こえていたので、正直アルバム自体が良いものに思えなかったのだが、これは印象がガラリと変わって良いと思えるようになった。
ところで「ハッピーエンド」は当初2つの完成版があったらしく、旧盤のCDではLP時代とは別のバージョンを収録していて、90年代終わりのリマスター時に元のバージョンに戻したとライナーに書いてあって、じゃあ俺の手元には両方のバージョン(旧盤と今回の盤)があるんだと思って聴き比べをしてみたが、どこが違うのかよく分かっていない。聴きこみが足りないな。
あと、歌詞と対訳が載っているのは今回が初めてらしい。かつて「OMIYAGE」という写真集にリリースされたばかりの『BGM』の歌詞と対訳が載っていただけだったようだ。後に多く出たベスト盤ではどうなのか分からないけど。
しかし惜しむらくは、これがオリジナルのマスターテープからのリマスターではないであろう点。オリジナルのマスターはすでに再生できる機器がなくて、デジタルコピーをしたものをベースとしていると何かで読んだか聞いたことがある。違っていたらゴメン。
それでも音が素晴らしいから、そんなに気にはならないけどね。
テクノデリック
- Pure Jam(ジャム)
- Neue Tanz(新舞踊)
- Stairs(階段)
- Seoul Music(京城音楽)
- Light In Darkness(灯)
- TAISO(体操)
- Gradated Grey(灰色の階段)
- Key(手掛かり)
- Prologue(前奏)
- Epilogue(後奏)
『テクノデリック』も90年代前半に出たアルファ盤を30年近く聴き続けてきた。これもリマスターされて新たに蘇った感がある。「新舞踊」なんてケチャの声が増えてる?と思うぐらい賑やかだし、「京城音楽」の左右で鳴っているパーカッションみたいな音も音域が広がったように聴こえるし、とにかくこれまでは狭い会議室で演奏しましたみたいな音だったのが、ホールで演奏してますぐらいの感覚。
こちらは「体操」以外はマスターテープが残っているから、そこからのリマスターなんだろうと思う。その分「体操」はあまり変わり映えしていないようにも聴こえる。「前奏」と「後奏」はわりと控えめのミックスに聴こえるが、そのぶん工場の機械の音が生々しさを増している。
『BGM』と『テクノデリック』がリリースされた当時
今でも覚えている、『BGM』そして『テクノデリック』が出た当時の盛り下がり方を。『ソリッド・ステイト・サバイバー』やスネークマンショーを取り入れた『増殖』は小学生や中学生でも分かりやすく、聴いている者も多かったが、『BGM』以降は明らかに離れていく奴らが多かった。
俺も当時FMで録音した『テクノデリック』を友達に聴かせたら「こんなのがいいの?」と言われたことをいまでもしっかりと覚えている。そいつは『増殖』ぐらいまでは嬉々として聴いていたにも関わらずだ。
『BGM』や『テクノデリック』が無かったらいまみたいな評価はされていないと思うし、それこそ単なる懐メロと化していただろう。逆にこの2枚を難解と感じた人たちにとってはYMOはいまじゃ懐メロ程度の認識だろうな。
だから同年代とYMOの話なんてできないし、したくもない。どうせ「懐かしい」とかで済まされるだろうしね。
そんなアルバムってことですよ、この2枚は。