デヴィッド・ボウイの誕生日なのでちょっと昔話でも

David Bowie

1月8日はデヴィッド・ボウイの誕生日で、今年で64歳になるそうだ。日ごろ70年代のアルバムをよく聴いているからそういう実感が無い。しかも当のボウイ本人も、8年ぐらいは新しいアルバムを出していないし。今は何をやっているんだろうか!?

そんなことを考えながら、今俺は”Young Americans”を聴いているし、ついさっきまでは”Aladdin Sane”を聴いていた。今ではこうやっていつでもアルバムを聴くことができるのだけど、20年前はまだまだそういう状況ではなかった。ちょっとその辺の記憶をメモしておこうかと思う。

ちなみに俺の最初のボウイのファーストコンタクトは1983年、”Let’s Dance” がヒットしてPVがやたらと流れていた頃。初めて聴いたアルバムもこれだったし、かなり好きだった。だけど、翌年の”Tonight”はまったく好きになれず、1987年の”Never Let Me Down”はスルーして89年のティン・マシーンはLPレコードを購入したといった感じだった。この時点で俺、21歳ね。

この時期、デヴィッド・ボウイの70年代、RCAからリリースされていたアルバムはすべて廃盤状態で、CDも早々に市場から消えていたようで、ディスクユニオンで”Pin Ups”の中古CDが9800円で売っていたぐらいだった。そんな折「GOLD WAX」というコレクター向け雑誌でボウイの記事を読んだ。

Gold Wax

最初は海外の記事の翻訳が主な内容の季刊誌でこんな体裁だった。この中で「デヴィッド・ボウイのRCA時代のCDを探る」という記事があって、大いに興味を惹かれたものだった。

Gold Wax

この記事の冒頭ではこんな風に書いてある。

ここ数週間のうちで最も胸が躍る発表は、アメリカのRykodisc とヨーロッパのEMIがデヴィッド・ボウイの1969年から1983年の完全なバック・カタログの権利を取得したというニュースだ。

まだCD化されていないアルバムの方が圧倒的に多かったこの時期において、これから順次、ボーナストラック付きで再発されるという内容は、まだまだ聴いている世界が狭かった俺にはものすごく興味深いものだった。そして今は無き池袋の「Wave」へCDを物色しに行った際に偶然目にはいってきたのがこれ。

David Bowie / Sound + Vision

“Sound + Vision”という、CD3枚組+CDVというボックスセットで、これがボウイの再発プロジェクトの第1弾としてリリースされたもの。ほぼ迷うことなく(でもこれ目当てで出かけたわけではなかった)購入。毎日のように3枚のCDを聴きまくって、来るべきアルバムの再発を待ちわびていた。このボックスでしか聴けない曲があるってところに、今でも価値がある。そして1990年に入って、”Space Oddity”、”The Man Who Sold The World”、”Hunky Dory”の3枚がリリースされたわけだ。

今となっては、ボックスを買ったのとGOLD WAXを読んだことのどちらが先だったのか記憶が曖昧なんだけど、この時期はCDを買うということにとてもワクワクしたものだ。新しい音楽に触れるということ自体がものすごく刺激的だった。デヴィッド・ボウイの再発されていくアルバムはまさにその筆頭にあった。あのワクワク感、もういちど味わいたいものだな。もう2度とないだろうけどね。

ボウイさんもそろそろアルバム出してもいいんじゃね?