
Weather Report / Night Passage
なんだか俺の嗜好がウェザー・リポートへシフトしたようだ。前回も書いたけど、俺はジャコ・パストリアスからウェザー・リポートを 聴くようになったので、ジャコ時代のウェザーのアルバムは押さえている。
本当ならその前後もちゃんと聴かなくてはならないのだけど、未だにちゃんと聴いていないという不届き者だ。そんな俺がもう1枚、ウェザーのアルバムを薦めてしまおう。
前回紹介した”Mr. Gone”と共に大好きなのが1980年発表の”Night Passage”。ジョー・ザヴィヌル(キーボード)、ウェイン・ショーター(サックス)、 ジャコ・パストリアス(ベース)、ピーター・アースキン(ドラム)という ウェザー史上最強のラインナップに、ボビー・トーマス・Jr(パーカッション)を加えた5人。
前作が”8:30″という当時2枚組LPだったうちの3面がライヴ、1面がスタジオという大傑作だったのだが、恐らくウェザーが頂点を極めたのはその辺で、その勢いをちゃんとこの”Night Passage”でも引き継いでいるけれども、どこか危うさも感じられるんだよね、あまりにも完璧すぎて。
- Night Passage
- Dream Clock
- Port of Entry
- Forlorn
- Rockin’ In Rhythm
- Fast City
- Three Views Of A Secret
- Madagascar
俺がこのアルバムを好きな理由は冒頭のタイトル曲。”Mr. Gone”とか、他のアルバムでは結構音がぐにょぐにょした難解な印象を受けることが多かったんだけど、”Night Passage”という曲は終始4ビートのものすごくシンプルな曲。曲が進むにつれ徐々に盛り上がっていって、そのままフェイド・アウト。もうカッコよすぎる。ウェザーの曲の中でも片手に入るぐらい好き。
ウィキペディアを読むと2ステージを2晩、計4回のステージを録音してアルバムにしたようだ。”Port Of Entry”と”Madagascar”には歓声が聞こえるからそれと分かるけど、他の曲はライヴ録音とか思えない仕上がりの高さ。特に凄いと思うのがジャコとピーター・アースキンのリズム隊。この2人がいるからウェイン・ショーターやジョー・ザヴィヌルのプレイも光る。”Fast City”でのショーターのブロウはもう最高!
そしてここにはジャコ・パストリアスによる “Three Views Of A Secret”も入っている。まあ俺は後の彼の大傑作”Word Of Mouth”に収録されたバージョンの方が好きだけどね。
俺にとってはこのアルバムには捨て曲がなくて、とても完璧に聴こえてしまう。次作”Weather Report” でジャコとピーターは脱退しちゃうんだけど、それを考えるとやはりここがピークだったのかなと思える。
このアルバムは、フュージョンというよりはジャズアルバムって思える。ジャズのファンの方が聴いたらどう思うのか分からないけどね。
コメント
私はフュージョンは好きじゃないのですが、WRにはそれは感じません。ジャズと言って間違いないと思います。私は、8:30もこのアルバムも、ヘビーウェザーもブラックマーケットも大好きですが、じつはテイルスピニンやミステリアストラベラーも大好きです。
はたのむさん
自分もフュージョンって好きじゃなくて、
このジャンルに括られるWRにもそんなイメージをずっと持っていました。
だけどこれはジャズですね。
ジャコ加入以前のアルバムにもずっと興味を持ってはいるのですが、
未だに踏み込まずにいます。
早いうちに聴こうと思ってます。