金曜日の夜中にNHKのBSで『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を放送していたので、録画して土曜日の昼間に見ていた。1999年に公開されたこの映画を見るのは実は初めて。音源は聴いたことがあるんだけどね。
この映画は、かつてキューバで活躍していたミュージシャン達を、ライ・クーダーが一緒にセッションし、アルバムを作ったことがきっかけで制作されたもので、すでに高齢だったキューバのミュージシャンの来歴を本人たちの口から語らせて、合間にアムステルダムで行われたライヴを挟み、最後はカーネギー・ホールでの大団円で終わるというもので、ドキュメント的な感じでストーリーは無い。
ライ・クーダーといえば映画のサントラとかスライド・ギターの名手というイメージはあったが、アルバムとかは聴いたことがないんだよね。まあそれは今回は置いといて、ライが友人からもらったキューバ音楽のテープを聴いて感銘を受け、現地に赴いてミュージシャン達を探し出したのが始まりだったようだ。
再び脚光を浴びたミュージシャンたちはすでに70歳前後の人が多く、昔は音楽をやっていたものの次第に忘れ去られていた人たちばかり。そういう人たちが再び音楽をやる喜びが場面のあちこちから垣間見れて、きっといい人生を送れたと思っただろうなと感じたのですよ。
コンパイ・セグンドというミュージシャンは当時90歳だったにも関わらず、この映画の後には来日公演をしたからね。観に行ってるんだよ俺。再び音楽をやる前は葉巻を作って生活していたらしいし。
2005年ぐらいまでにこの映画に登場したミュージシャンの多くが亡くなってしまっているから、ライ・クーダーは実に絶妙なタイミングで彼らを見出して、とても良い仕事をしたなって思ったよ。もっと早く観ておけばよかったと思った作品です。