“Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band”のスーパー・デラックス・エディションのディスク1、つまりアルバムの「2017リミックス」である。リミックスを手掛けたのは故ジョージ・マーティンの息子であるジャイルズ・マーティン。
俺は「サージェント・ペパーズ」は1987年のマスターのCDを20代の頃に、そして最近では2009年リマスターのモノラル盤でしか聴いていない。他はアナログ起こしのブートレグ(Dr.Ebbettsってやつね)でステレオとモノラルも長年聴いてきたけど、2009年リマスターが出てからはずっとモノラルだけを聴き続けてきた。
まず聴いて思ったのは、「これはいつリリースされたアルバムだっけ?」と思わずにはいられない音のキレイさ。コーラスは隅々までよく聴こえるし、これまで目立たなかったギターやベースやドラムの音もクッキリしているし、加えて俺はステレオを聴くのが久々だったので驚くことだらけだった。
圧巻なのがやはり「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」で、最初のオーケストラの盛り上がりなんてイヤホンで聴くと目の前で演奏されているのかと思ってしまうぐらい。マル・エヴァンス(ビートルズのロード・マネージャー)によるカウントの声もよく聴こえるし、最後のピアノによる「ジャーーーーン」も迫力がある。
余談だけど、最後の「ジャーーーーン」の部分は最後までボリュームをデカくしてイヤホンで聴いてみて欲しい。4分45秒を越えたところで、彼らが座っている椅子がきしむ音が聴こえるはずなので。そのかわりそれを聴いたらすぐにボリュームを戻そうね。
聴くついでに、その「ジャーーーーン」が終わって、椅子のきしむ音の後に変な笑い声と何やら繰り返しで言ってる音がフェイドアウトしていくと思うが、ピアノの余韻とその笑い声が始まる間には高周波の音が入っているのが聴こえるだろうか?おそらく年寄りには聴こえない。10代20代ぐらいの人なら聴こえるだろう。だって俺20代の頃は聴こえたし。果たして今回のリミックスに入っているのかどうか分かりませんけどね。
って、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のことしか言ってねえや・・・まあいいか、感想は最初に書いたし。それにしても、俺はこの曲を初めて聞いてそろそろ35年になるんだけど、初めて聴いたときから変わらずこの曲はすげえなって思っちゃうんですよね。そもそも間にオーケストラにそれぞれの楽器のいちばん低い音からだんだん高い音に流れていくなんて演奏させるのもぶっ飛んでるし、曲をそういう構成にしようって発想がもうね。
ところで今日になって気がついたんだけど、「シーズ・リーヴィング・ホーム」はステレオとモノラルでは、モノラルのほうがピッチが速く、ステレオが3分35秒のところをモノラルは3分26秒だったはずなんだが、「2017リミックス」ではステレオまでもがピッチが上げられて3分26秒になっている。これはいただけないよな・・・、2009年リマスターのステレオ盤を今さらながら買おうかなと思っているよ。