Tim Cashion / Find Us On The Dial
AmazonでAORをキーワードに探していて、たまたま目に留まったアルバム。ティム・キャッション、初めて聞く名前でだけどカスタマーレビューでも高評価だし、サンプルを聴いてみたら良いじゃないと思ってポチってしまったのがこの”Find Us On The Dial”というアルバムだ。
そもそもこのティム・キャッションって人は何者よって話なんだけど、グランド・ファンク・レイルロードでキーボードを担当って、そもそも以前にグランド・ファンクって活動してたんかいってところからツッコミいれたくなるよね。マーク・ファーナーは参加していないようだけど、グランド・ファンクとして今もツアーは行っているそうだ。それ以前ではボブ・シーガーのバンドや、高中正義とも一緒に活動していたことがあるらしい。
アメリカン・ロックのバンドに関わっていることが多かったようだけどAORからの影響は大きいようで、スティーリー・ダンはもちろんのことジノ・ヴァネリやペイジズといったアーチストが好きで、アルバムだとスティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』とかアル・ジャロウの『ブレイキング・アウェイ』だの、スティーリー・ダン『エイジャ』とか、なんだ俺たちと変わらないじゃんなんて思いながらライナーを読んでいたら、ライナーを書いた人も「日本のAORファンと大して変わらないじゃないの」とか書いてあって笑ってしまった。
アルバム全体はもちろんヴォーカルを主体とし、よく練られたアンサンブルで構成されていて、典型的なAORと言っていいだろう。俺はAORを語れるほど多くを聴いていないから具体的な例が出せないけど、それでもパブリック・イメージとしてのAORなんじゃないかと思う。今回このアルバムは、日本のPヴァイン・レコードからリリースされていて、海外ではリリースされていないのだろう。このレコード会社は良いとこを持ってくるよね、以前書いたエヂ・モッタもそうだったし、でもこれは逆に、アメリカでもAOR的な音楽はさほど聴かれていないのかなと考えてしまうよね。
それにしても、このような素晴らしいアルバムを作る人がグランド・ファンクのツアー奏者であるという事実はもったいないなと思う。この人の楽曲を他にも聴いてみたいと思いますね。