極私的オールタイムベスト50アルバム【その6】

Philip Glass / Music In Twelve Parts
Philip Glass / Music In Twelve Parts(1996年)
フィリップ・グラスは1983年の”The Photographer”というアルバムをFMで聴いて、何やら同じようなフレーズを延々と繰り返しているだけの長い曲に聴こえ、当時は訳がわからんと思った。だけど何故かテープに録音してあったので、何度か聴いてちょっとだけ好きになっていた(後に中古LPを手に入れてるし)。この「12の部分からなる音楽」は1971年から1974年に録音された楽曲で、1996年に3枚組のCDとしてリリースされたもの。各曲20分前後あって、進行とともに微妙にフレーズが変化していく。所謂「ミニマル・ミュージック」というやつなのかもしれないが、俺はその辺よくわからない。正直この3枚組約4時間をぶっ通して聴いたことはないけど、妙に中毒性のある音楽でとても好きだ。ルー・リードの”Metal Machine Music”と対局にあるけど同じ系統のものだと勝手に思っている。そういやこの2人顔もそっくりだな。

Pink Floyd / The Wall
Pink Floyd / The Wall(1979年)
俺の音楽の趣味を決定づけたアルバムがこれ。高校1年になるって頃に聴いたんだけど、それまで聴いていたポップ・ミュージックとは違う、重くて暗いロック。これで1曲なのかと思うような断片のようなものもあり、コンセプト・アルバムというものを体験したのもこれが初。今では”The Dark Side Of The Moon”のほうが多く聴いているし、アルバムとしては”Animals”のほうが好きだけど、ピンク・フロイドから1枚選ぶとなるとこれ以外にない。極端な言い方をすると「俺の人生を変えた1枚(2枚組)」であり、俺の捻くれた性格もこのアルバムを聴いて顕著になったんだと思っている。完全な責任転嫁。

ピチカート・ファイヴ / Sweet Pizzicato Five
ピチカート・ファイヴ / Sweet Pizzicato Five(1992年)
ちょっと、Amazon!1992年当時のジャケ写のがないじゃない!写真のは再発した際のジャケットなのだが、オリジナル・ラブと共にはまったのがピチカート・ファイヴ。きっかけはこのアルバムの翌年のシングル「スイート・ソウル・レビュー」が化粧品のCMで使われていたのを聴いたからだけど、そこからすぐに過去のアルバムも全部揃えたほどだった。この『スイート・ピチカート・ファイヴ』は最初はハッピーな展開なんだけど、後半は雲行きが怪しくなっていくというひとつの物語が展開されているかのような流れがとても好き。ただ「テレパシー」って曲は今でも歌詞を聴くと赤面モノだ。だけど「フラワー・ドラム・ソング」とか「キャッチー」とか「パリコレ」なんかの曲は今も好きでよく聴いている。余談だが後に「PIZZICATO FIVE TOKYO」と、まるで「CHANEL PARIS」のようなブランドみたいなロゴがクールでカッコいいなと思っていた。

The Police / Ghost In The Machine
The Police / Ghost In The Machine(1981年)
“Synchronicity”がリアルタイムでLPも買ったけど、その後ポリスの全アルバムを聴いて自分にいちばんしっくりきたのが1stと4枚目となるこのアルバムだった。”Synchronicity”は後のスティングのソロ・アルバムのプロトタイプって感じだが、”Ghost In The Machine”はどちらかというとアンディ・サマーズとスチュアート・コープランドの色が強いような気がするという理由なんだけど、実際はどうなのかわからない。真っ黒なジャケットに相応しい陰鬱な感じがとにかく好きなのである。

Prince
Prince(1979年)
あまりにも多作で、人によって好きなアルバムが違ってくるのかもしれないが、多くの人はやはり初期から”Lovesexy”までのアルバムを挙げるだろう。俺もまさにその1人で、特に79年発表の2枚目『愛のペガサス』という邦題のついたこのアルバムが好きだ。プリンスがすべての楽器を演奏し、全曲ファルセットで歌っている。A面の最初3曲が同じようなテンポの曲で、最後がバラードって展開はベタな感じもするが、シンプルだけどすでに彼の美学が出来上がっていると思う。ワーナーもよく最初からセルフプロデュースをさせたものだと思うが、それだけ才能を感じていたのだろう。それにしてもジャケはいただけない、裏にはペガサスに跨っているプリンスの姿が。