Pink Floyd / The Endless River (Deluxe CD+DVD version)
ピンク・フロイド、20年ぶりの新譜。俺はデイヴ・ギルモアが主導を握ってからのフロイドはそれほど聴いてないし、前作にあたる”The Division Bell(邦題:「対」)”にいたっては聴いたことがない。俺にとってはロジャー・ウォーターズこそがピンク・フロイドの核であると思っているから。しかし20年という月日は、ロジャーがいようがいまいが、現在のメンバーがデイヴ・ギルモアとニック・メイソンだけだろうが、そんなことはどうでも良くなってくるぐらいで、全然知らないメンバーが正式メンバーと言われてももはや気にしないかもしれない。ピンク・フロイドの新譜というだけで嬉しくなってしまう。ほんと、20年ってそのぐらいの長さですよ、振り返るとあっという間ではあったけど。
さて、この新譜”The Endless River”は、その20年前の”The Division Bell”のセッションで録音された音源をもとに作り上げられたアルバムで、2008年に亡くなったリック・ライトへのトリビュート・アルバムでもあるらしい。20年前の音源を使っているので、当然リックのキーボードも入っているし、メンバーとしてのクレジットもされている。
アルバムは全18曲で50分ぐらい、ヴォーカル曲はラストの1曲だけであとはインストゥルメンタルという作りは、今までのピンク・フロイドと比較するのは無意味だろう。ただ随所にかつてのフロイドの曲を思わせるような音やフレーズを感じ取ることができる。彼らの集大成と言えばそうかもしれないし、でも俺はまったく別のバンドの作品と言ってもいいと思っている。かつての彼らのアルバムにはどことなく重苦しさがあったけど、このアルバムにはそれがない。環境音楽の様にすーっと流れていく。”The Endless River”というアルバム名がとても当てはまっている。そしてエンドレスという言葉がタイトルにはあるのに、このアルバムがピンク・フロイドとしての最後のアルバムだという宣言をデイヴ・ギルモアはしている。まあリック・ライトもいないし、ロジャー・ウォーターズも戻ってこないし、それに彼らも歳だからね。これで終わるにはとてもいい幕引きかもしれない。
ちなみに俺が買った盤はDVD付のもので、アルバムの5.1chサラウンドと、1994年当時の映像(写真?)を交えた曲が何曲かと、アルバム未収録のセッション音源が収録されている。サラウンドはともかく、他のトラックはあくまでもおまけ的に思えばいいでしょうね。
コメント
hiroumi様 こんばんは
サントラなどでインスト曲中心のアルバムもあるのですが、
今のギルモア・フロイドはそういう音楽性ではないですからね。
純粋にヴォーカルを入れる前の段階ってことだと思います。
「The Division Bell」をまだ未聴とのことで
別グループと思われたのは無理ないかな、と思いました。
これがラスト作かも、ってことですが
確かに20年空いちゃうと
ギルモアおじいちゃんに無理はさせられない気もします。
おつかれさまでした!って感じですね。
GAOHEWGIIさん
ピンク・フロイドは良くも悪くも大げさなBGMっぽさが昔からあるので、
今回のも十分ありと思います。
本文でも書きましたが、ロジャー・ウォーターズ抜きのフロイドは
あまり好きではないのですが、これなら全然OKだと思うし、
今なら『対』もすんなり聴けるんじゃないかと思います。