思い出深いFM番組たち

1983年11月のFM東京の番組表

カセットテープの話で、FM番組から聴きたい曲を録音していたと書きましたが、
中学、高校の時に俺がどんな番組を頼りにしていたかを以下に記載します。
当時埼玉県民だった俺にとって、FM局と言ったらNHK-FMとFM東京(現TOKYO FM)だけでした。

■ひるの歌謡曲
この番組だけは俺が小学生の時、そう、最初にエアチェックを覚えて以来、かなりお世話になった番組。
NHK-FMで昼の12時15分からオンエアされていた歌謡曲の番組で、西城秀樹特集とか、
山口百恵特集とか、演歌から流行りものなどを特集していたんだよな。
さすがにその時のテープは残っていないだろうなぁ・・・。

■コーセー化粧品 歌謡ベストテン
FM東京で土曜の13時ぐらいからオンエアされていたベストテン番組。
タイトルにあるように、コーセー化粧品がスポンサー。
まだ洋楽に完全に目覚める前に、学校から帰ってくると必ず聴いていた。
確かこの番組の後に洋楽のベストテン番組をやっていて、やがてそっちにシフトしていったんだよね。
いまちょっと調べて知ったんだけど、この番組は今もCountdown.jp というタイトルで続いているんだね。

■FMステーション・マイ・サウンド・グラフィティ
FM東京で月曜から金曜の深夜3:00にオンエアされていた、雑誌「FMステーション」が提供していた番組。
ウィリアム・ジャクソンというDJが曲を紹介するというもので、
週間でアーチスト特集や新譜のオンエアなど、中学生だった俺には大変重宝していた。
45分番組だったから新譜の特集はアルバムから1曲2曲が漏れたりしていたが、
時々「全曲」をオンエアされるアルバムもあった(ただし、適度にフェイド・アウトもあった)。
もちろんこれはオーディオタイマーで予約録音して、翌日学校から帰ってきてから聴いていた。
上の番組表の写真はこの番組の1983年11月ごろのもの。
「コンパクト・ディスクで聴くポール・マッカートニー」とか、CDが出始めたころだったけど、
まだ俺はコンパクトディスクなんて何のことか分からなかったと思う。

■サントリー・サウンド・マーケット
FM東京で21時か22時ぐらいにオンエアしていた番組。
ここでいちばん印象に残っているのはビートルズ特集で、ジョージ・マーティンの回顧録
(マーティンのしゃべりの上に日本語訳を流したもの)と曲を流していたものがあって、
その時にヘッドホンで聴いた「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」(この時が初めて)に
ものすごい衝撃を受けたのを思い出す。中学2年の初夏ぐらいだったと思う。

■軽音楽をあなたに
NHK-FMの夕方月曜から金曜の16時からの2時間番組。
この番組はジャンルを問わず、ロックもかければクラシックやラテン系なども特集していたかな。
中学2年の夏休みにはビートルズ特集を2週間にわたってオンエアしてくれて、
全213曲(当時)はもちろんのこと、カバー曲や、今ではあり得ないであろうブート音源まで
流してくれたんだよね、当時はそんなこと知らなかったけど。
この時に聴いた「オー・ダーリン!」のアウトテイクをもう1度聴きたいのだけど、未だ手に入らず。

声のかすれたポールが歌う「オー・ダーリン」
今から25年ぐらい前、FMでビートルズの特集を放送していたことがあって、その中で『アビィ・ロード』に入っている「オー・ダーリン」の変わったバージョンを流していた。

他にもプログレの特集とか、いろいろ良い特集があったよなぁ。

■サウンド・ストリート
NHK-FMの月曜から金曜日の22時から番組で、曜日ごとにパーソナリティが変わっていた。
年代によってパーソナリティも移り変わりしていたけど、俺がいちばん好きだったのは
月曜:佐野元春
火曜:坂本龍一
水曜:甲斐よしひろ
木曜:山下達郎
金曜:渋谷陽一
各人の音楽性が分かるというか、好みが分かる選曲で楽しかった。
正直、火曜と木曜は当時の俺には分からない音楽ばかりだったけどね。
夜寝るときに聴いていたのを思い出す。
金曜日、渋谷陽一の最終回のレッド・ツェッペリン特集のテープがさっきひょっこりでてきたw

■クロスオーバー・イレブン
NHK-FMの月曜から金曜日の23時からのオンエア。
余計なしゃべり無し、曲はフルでかけるという、当時の俺たちにはすごく良心的な番組だった。
しゃべり無しと書いたが途中に2度入る、津嘉山正種氏のナレーションが
とても良いアクセントとなっていた。物語風なのから朗読、ノンフィクションものなど、
今思うとこれらのナレーションを録音して残しておくべきだったと後悔。
前述のサウンド・ストリートと併せて聴いていて、この番組の2回目のナレーションが終わる
23:30過ぎに寝落ちするというパターンが多かったかな。

以上、他にもいくつかあったけど、すぐに思い出せるのはここに挙げた番組たち。
やっぱり10代で培ったものってのは今でもずっと根付いていて、
これらの番組で聴いてきた音楽を結局は今もずっと好きでいるからね。
90年代が近くなってJ-Waveが開局すると、他のFM局も真似するようになっちゃって、
FMが単なるBGMみたいになってしまった時期もあったけど、FMには感謝しているよ。

あー、久々にこれらの番組を聴いてみたいな、あの頃の気持ちで。