先日、ディスクユニオンで中古盤を漁っていて偶然見つけたのが写真右のMandrake Som(マンドレイク・ソン)の”Sombossa”というアルバム。このアルバムはブラジル系パーカッショニストのマンドレイクが、1975年にイタリアでリリースしたというアルバム。何でも1990年代のクラブDJたちがこぞってこのアルバムの曲を流したとか。このアルバム自体は1995年にCD化されたそうだ。イタリアでブラジリアン・グルーヴとはなかなか興味深い響きだ。なぜこのアルバムに興味を持ったかというと、写真左のCDに1曲収められていたからだ。
話は逸れるが、1990年代前半に、俺は父親がFM番組を録音したあるテープをよく聴いていた。それは南米の音楽を特集したもので、車を運転しながら何気に聴いたら「なんとなく」良いなと思うようになっていた。そんな経緯から、1994年ごろにたまたまCD屋で見かけた写真左のCDを購入してみた。これは1994年にブルーノート・レーベルからリリースされた”Blue Brazil”というオムニバスアルバムで、3種類出ている。店頭で見たポップに書かれていることは、それまで英米のロックばかり聴いてきた俺には意味不明だったが、何か惹かれるものがあった。ただ、まだ20代前半の俺には難解で、CDを買ったもののそれほど聴いていなかった。
2000年代になり、カエターノ・ヴェローゾを始めとするMPB(ブラジルポピュラー音楽)や、ボサノヴァに興味を持つようになって、久々にこの”Blue Brazil”を聴くようになって、以前よりも収録されている「曲」についての理解が深まり、何度も聴くようになって、ひときわキラートラックだと思っていたのが3曲目に入っている”Berimbau”(ビリンバウ)という曲。「ビリンバウ」はボサノヴァでも頻繁にカバーされる曲で、このオムニバスに入っているそれはリズムを強調したかのようなとてもカッコイイ演奏だった。そこでマンドレイク・ソンというバンド名だというのは分かっていたが、それ以上の情報を掴むことができなかった。そもそもレア曲が多いんだよね、このオムニバスは。
それで最近はブラジル物ばかり聴いているので、思い出したようにマンドレイク・ソンについて調べてみたら、なんとディスクユニオンで2013年に限定再プレスをしていたようで、そこで彼らの素性を知ったようなものだった。
http://diskunion.net/latin/ct/detail/WOR24120
ディスクユニオンのページに書かれているレビューを読んで、アルバムを聴いてみたいと思っていた時に、いいタイミングで中古盤だけど見つけちゃったのですよ。
Mandrake Som / Sombossa
01. Eu Não Quero Nem Saber
02. Soul Samba
03. Insensatez
04. Arrastão
05. Deixa Isso Pra La
06. Reza
07. Berimbau
08. O Dia Em Que Eu Morrer
1曲目と8曲目はマンドレイク作の曲だけど、他は有名な曲ばかり。もちろん07の”Berimbau”は先の”Blue Brazil”に収録されているのと同じで、他の曲もパーカッシブな要素が強くてどれも良い!これならクラブDJも流すわって納得したぐらいだ。特にマンドレイクのパーカッションがフィーチャーされた04とか06が良い。ヴォーカル曲、インストゥルメンタル曲は半々ぐらい。CDのジャケットは怪しげだが、内容は最高ですよ。あと、ジャケットのどこを見ても曲目が書いてなくて、CDの盤に書いてあるだけ。
因みにマンドレイク・ソンとしては1977年に2枚目のアルバムを出していて、これも1995年にCD化されているようだけど、再プレスはされていないようなのでレア度が高そうだ。ぜひとも聴いてみたい。そして、マンドレイクを知るきっかけとなった”Blue Brazil”シリーズは他にも気になるけど謎なミュージシャンが多く入っているので、今後も探してみたい。