KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』

KIRINJI / 愛をあるだけ、すべて

KIRINJI / 愛をあるだけ、すべて

KIRINJI(以下、キリンジと表記)の新譜が出た!兄弟時代からだと13枚目、現在のバンド編成では3枚目となるアルバムだ。結論から言うと傑作で、これまでのキリンジのアルバムでも最高の1枚だと思う。

01. 明日こそは / It’s Not Over Yet
02. AIの逃避行 feat. Charisma.com
03. 非ゼロ和ゲーム
04. 時間がない
05. After the Party
06. 悪夢を見るチーズ
07. 新緑の巨人
08. ペーパープレーン
09. silver girl

すでに「AIの逃避行」と「時間がない」はシングルとしてリリースされているので、純粋に新曲として聴いたのは7曲。これまでのキリンジのテイストを残しつつ、どの曲もしっかり時流に合わせた作りとなっているのが良い。

このアルバムのリリースに合わせた何本かのインタビューがすでに出ているが、その中で堀込高樹は「エバーグリーンと呼ばれたくない」とか「ゆるいとかなごむとか言われたくない」、そして「1stアルバムの曲をやればお客さんも喜ぶだろうけど、そんな情熱はない」といったかつてのキリンジのイメージをことごとく壊そうとしている発言をしている。

KIRINJIメンバー全員インタビュー|もうエバーグリーンと言われたくない ダンサブルなKIRINJIの新作「愛をあるだけ、すべて」 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
もうエバーグリーンと言われたくない ダンサブルなKIRINJIの新作「愛をあるだけ、すべて」
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この姿勢、俺はものすごく歓迎しているし、Twitterでの反応を見る限りではそういう向きの人が多いと感じる。堀込高樹の上記発言を読むと、ミュージシャンも聴き手も常にアップデートしていかないとダメだなと思うんだよね。前作『ネオ』なんかは例えばAmazonのカスタマーレビューを見るとネガティブな意見も見られるが、まだ聴き手の耳がアップデートできていない状況だったと思うわけ。

俺はなぜこの状況を歓迎しているのか、それはすごく単純で、『ネオ』のカスタマーレビューなんかを見ると堀込泰行の不在を嘆くものや、「なぜキリンジの名前を使うのか」みたいな言い草のものがあって、むしろキリンジの名を使ってここまで変化を見せてくれているから面白いんじゃないかって思うわけです。

さて、このアルバム『愛をあるだけ、すべて』を一聴した段階では「明日こそは / It’s Not Over Yet」、「After the Party」、「悪夢を見るチーズ」が気に入ったが、何度もアルバムを繰り返して聴くうちに「silver girl」がアルバムの重要な曲のひとつだなって思うようになった。そしてやっぱり「AIの逃避行」、この曲は群を抜いて凄いと改めて思った。

全然言いたいことが言えてないんだけど、寝かしておいてもしょうがないのでとりあえずここまで。