新生キリンジ改め、KIRINJIのアルバムがついにリリースされた。タイトルは『11』。そう、今までの兄弟によるキリンジからそのままグループは継続しているということを感じさせるタイトルじゃないか。6月にビルボード東京でライヴを観て以来、アルバムへの期待が一層高まっていたのだけど、いやぁ、いいアルバムじゃないですか。購入したのはCDとDVDの付いた初回盤。
KIRINJI / 11
01. 進水式
02. だれかさんとだれかさんが
03. 雲呑ガール
04. fugitive
05. ONNA DARAKE!
06. シーサイド・シークェンス~人喰いマーメイドとの死闘篇
07. 狐の嫁入り
08. 虹を創ろう
09. ジャメヴ デジャヴ
10. クリスマスソングを何か
11. 心晴れ晴れ
DVD
01. 進水式(PV)
02. fugitive
03. シーサイド・シークェンス
04. クリスマスソングを何か
まずはCDで、「進水式」はこのグループの新たな1歩を踏み出すのにふさわしい曲。「だれかさんとだれかさんが」は学生時代の淡い恋を描いたような内容だけど、俺はいまいち共感できない曲。「雲吞ガール」はライヴで聴いた時から早く聴きたいと思っていた。途中のエイドリアン・ブリューがトーキング・ヘッズで弾いているようなギターは弓木英梨乃によるソロなのだが、これがまたカッコいいんだよね。歌詞なんかは遊び心満載でオバケのQ太郎のような一節が出てくるし。そしてこのアルバムで今のところベスト・トラックだと思っているのが「fugitive」。コトリンゴがヴォーカルを取っているのだけど、堀込高樹の描くダークな世界をあえてコトリンゴに歌わせることでより意味深で怖い展開を見せる曲じゃないでしょうか。
「ONNA DARAKE」はライヴの時に高樹さんがMCで言ってましたが、平日昼間はどこに行っても女の人しかいなくて、男はどこで何をしているのかと(仕事ですよw)、そういう内容の曲で、ドラムの楠均が歌っている。「シーサイド・シークェンス~人喰いマーメイドとの死闘篇」はもともと「シーサイド・シークェンス」というタイトルで兄弟時代に存在していた曲に、新たな歌詞をつけている曲で、「雲吞ガール」もそうだけど、ニューウェイヴですなこりゃ。ちなみに元祖「シーサイド・シークェンス」は今回このアルバムと同日に紙ジャケリマスターで再リリースされた『FINE』のボーナストラックとして収録されている。
「狐の嫁入り」はインストゥルメンタル。「虹を創ろう」は『BUOYANCY』に収録されていてもおかしくないタイプの曲で、癒し系な感じがする。そして一転して「ジャメヴ デジャヴ」は重くて「fugitive」と同系統の曲に思える。「クリスマスソングを何か」は弓木英梨乃がメインでヴォーカルを取るクリスマスソング。ラストの「心晴れ晴れ」はタイトルのごとく、どこかふっきれた印象を受ける。
DVDは「進水式」のPVと、ライヴ3曲が収録されていて、短いながらも見ごたえがある。秋からのツアーで1本ライヴDVDを出して欲しいものだ。
ところで、この新しくバンド編成となったKIRINJI、名前を引き継いでいるからついそれまでのイメージを引きずってしまいそうだが、そういう人は恐らくアルバムに馴染めないんじゃないかと思うが、Amazonのレビューを見る限りではそういう人もいるようだけど、おおむね大歓迎のようですね。もちろん俺もですよ。秋のツアーは初日の渋谷とラストの人見記念講堂の両方へ行く予定です。
コメント
hiroumi様 こんばんは
あー、もう出ていたのですね。
イメージとしては前回のソロ作にゲスト・ヴォーカルが参加した感じなのかな。
期待が高まるレビューです。
名前を継いじゃった以上、イメージを重ねるのは仕方ないですよね。
自分はもう別名義でいいじゃない、と思うのですが。
GAOHEWGIIさん
うーん、ゲストヴォーカルが参加した感じ・・・そうかもしれませんが、
コーラスなんかも同じ女性声が入っているからその辺がバンドらしさを感じます。
是非聴いてみてください!