今日6月10日はジョアン・ジルベルトの誕生日だ。80歳になるそうだ。おめでとうございます!ボサノヴァを作り出した偉大な方と同じ時代を生きていられるなんて、俺は本当に嬉しく思う。
それと同時に、今も現役でギターを弾き、歌うジョアンに敬意を払いたい。俺は普段はロックだとかヒップホップだとかパンクだとか言ってるけど、音楽を聴くようになって35年、最も感動的だった瞬間はジョアンの初来日公演で、2003年9月12日。そう、あの『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』として後にリリースされたあの公演だ。
今でも忘れない、東京国際フォーラムで「アーチストの都合」により空調を消し、照明を抑え、始まる前から漂っていた緊張感。いつドタキャンされるか分からないってのもあったし、あの日も30分ぐらい遅れてきた。そしてステージに出てきて小さな声で「コンバンワ」と。あとはMCもなく、彼の思うままに弾き語る。
咳のひとつもしたら失礼に値するかのような雰囲気。だけど誰もがあのギターと歌に酔いしれてた。「音楽」というものを本当の意味で堪能したのは、俺が覚えている中ではジョアンのあの公演がいちばんだった。
その後も何度か日本に来てくれたが、2008年は体調面から中止に。もう高齢だから飛行機で何時間も移動してくるのは大変かなと心配だったな。できればもういちど見たい。だけど、無理はせずにいつまでも歌っていてほしいと願う。もう50年以上も前に生まれた音楽のオリジネーターが今も現役でいるなんて、ボサノヴァぐらいなんじゃないだろうか!?