イギー・ポップが2012年にリリースしたカバー・アルバム”Après(アプレ)”。このアルバムのリリース10周年を記念し、アルバム・ジャケットも新装して再発売となった。俺は持っていなかったのでこれを機に購入。
2009年の”Préliminaires”はジャズやスタンダードのカバーを含んだもので、イギーの意外な一面を見せたアルバムだったが、それに続く本作は全曲がカバーで英語とフランス語が半々ぐらいの選曲となっている。
- Et Si Tu N‘Existais Pas Pas (Joe Dassin)
- La Javanaise (Serge Gainsbourg)
- Everybody’s Talkin’ (Harry Nilsson)
- I’m Going Away Smiling (Yoko Ono)
- La Vie En Rose (Edith Piaf)
- Les Passantes (Georges Brassens)
- Syracuse (Henri Salvador)
- What Is This Thing Called Love? (Cole Porter)
- Michelle (The Beatles)
- Only the Lonely (Frank Sinatra)
- La Belle Vie (Sacha Distel)
※カッコ内はオリジナルのミュージシャン名
当時所属していたレーベルのEMIからは「またこんなのかよ、売れないからダメ」みたいに扱われてリリースされず、フランスのインディー・レーベルからリリースされたといういわくつきの作品。そのせいで日本盤は無しだったし、そもそも俺はリアルタイムで知らなかったと記憶している。なお、11曲目は今回の新装盤で追加されたボーナス・トラック。
ここでのイギーは、低音のクール・ヴォイスで淡々と歌い上げていて、原曲を全部知っているわけではないが、ひねりや独自のアレンジみたいのは無いのではないかとみている。
パンクなイギー・ポップを期待しているような人には退屈極まりないものかもしれないが、俺はここで聴かれるクール・ヴォイスをもっと聴かせてくれと思っているので、このアルバムは大歓迎である。
11曲収録されていてもトータルで32分しかないので、あっという間に聴き終わってしまう。ただ、カバーということを考えると良い長さなんじゃないかと思う。
ところで、俺が購入したのは「帯付直輸入盤・日本語解説無」ってやつで、要するに輸入盤に帯だけつけたってことだと思うんだけど、それってひどくねえか?解説ぐらいつけろよ、10年前に出ているアルバムだし、収録曲が分からないわけでもないだろうに。円安だから輸入盤と日本盤の値段が大して変わらないから日本盤を買ったけど、解説無いんだったら本来なら輸入盤にしてたよ。