ジョージ・ハリスンの映画を見てきた

 

George Harrison / Living In The Material World

ジョージ・ハリスンの映画「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を観てきた。監督はローリング・ストーンズの「シャイン・ア・ライト」やボブ・ディランの「ノー・ディレクション・ホーム」のマーティン・スコセッシ。今回の作品は3時間半の大作で、途中に休憩を挟んでの上映でした。

第1部をビートルズ解散あたりまで、第2部をソロ以降という構成で、生前のジョージのインタビューはもちろん、息子のダニー・ハリスン、妻のオリヴィア、前妻のパティ・ボイドやポール・マッカートニー、リンゴ・スター、エリック・クラプトンなどが出演していた。

よくある音楽的なドキュメンタリーではなく、ジョージの人物像を描いた作品に感じた。

特にインドへの傾倒についてのくだりが多く、ジョージの人生においていかにそれが重要だったかを再確認できる内容だった。いや、俺は初めて聞くようなことばかりだったかな。

その分、音楽的な話、例えばジョン・レノンが射殺された話では、その後に発表した”All Those Years Ago”が流れなかったし、80年代に音楽ビジネスに飽き飽きしてたけど、87年に『クラウド・ナイン』で第1線に返り咲くところなんかは描かれていなくて、そこは個人的には残念だったけど、ビートルズやソロで成功して得た物質的なものではなく、精神的な部分に本質を求めている人間像が確認できたから満足だった。

あと、よくジョージの人柄を「控えめ」と表現しているけど、これは映画を見て本当なんだなと思った。エリック・クラプトンやラヴィ・シャンカールなど、他のミュージシャン仲間に対して「一流の人たち」と言ってた。いやいや、あなたも一流でしょって思ったけど、性格が出ているなと。

晩年に癌を患い、暴漢に襲われたことで死を意識したあとの彼の心の持って行き方には学ぶところが大いにあると思った。できることなら俺も真似したいぐらい。あまり書くとネタばれになるからこの辺にしとくけどね。

ところで、ビートルズ解散後に『オール・シングス・マスト・パス』をプロデュースしたフィル・スペクターもインタビューで登場したが、今の成りがオカマっぽくて笑った。昔の写真を見ると常にグラサンかけてカッコいい感じなのに・・・。

そして、ジョージのソロ・キャリアを手っ取り早く振り返るならコレ!
George Harrison / Let It Roll
George Harrison / Let It Roll