上の写真は、2004年ごろに恐らくどこかのライヴハウスとかディスク・ユニオン辺りで持ち帰ってきたフリーペーパー。「ANTHEM(アンセム)」というタイトルのもので、もうかれこれ8年もの間、俺のPCデスクの様々なものに紛れて「保管」してある。
別に俺が何か書かせてもらったからという訳でもないし、作った人が知り合いでもない。ある記事に惹かれ、それがすごく気に入ったからずっと手元に残しているのである。
その記事とは「コピーコントロールCDに潜む危険」と題したもので、俺はいまこれを読んでも共感できるし、素晴らしい記事だと思っているからだ。
この記事の中ではビートルズの『レット・イット・ビー…ネイキッド』を引き合いに出して、コピーコントロールCDへの批判を投げかけている。ビートルズを始めとする音楽の多くはカセットなどに録音して人に聴かせたりするなどをして「語り継いできた」からこそ今も愛されている。そして音楽業界にいる人間だってそういうことを経験してきたはずだと。
しかし『ネイキッド』の日本盤はビートルズのアルバムとして初めてCCCDでリリースされ、当時のCD屋ではどこも「輸入盤はコピーコントロールCDではありません」というポップがこれでもかというぐらいにディスプレイされた。これは俺も実際にこの目で見た。
記事曰く「いちばんやってはいけないアーチストのCDに日本人はコピーガードをつけたことの証」と。
当時の俺は個人ページも閉鎖していて、ブログも書いていなかったから、『ネイキッド』がCCCDで出た時の怒りを表す場がなかった(mixiで日記に書いていたかも)。だから俺はこの記事を読んだときに「まさにそのとおり」と思ったし、商業雑誌ではCCCDに対する批判のようなものが無かったと記憶しているから、これを読みながらひとりほくそえんでいた。
CCCDなんてものは2006年ぐらいで廃れたから今じゃ昔話だけど、わざとエラー信号を入れた粗悪品、しかも「コンパクトディスク」の規格に適してないから「Compact Disc」のマークも入れられないクソみたいな商品だったからね。エイベックスなんて率先してやっていたのに、20%もCDの売り上げが落ちたし。
記事は他にも良いことが書いてあるんだけど、人様のを勝手に引用するのも何なので割愛。
で、このフリーペーパーの裏表紙にURLがあったからアクセスしてみたけど、Not Foundだった。そりゃあ2004年の頃のものだし、フリーの冊子だから今ではあるわけがないよなって思いながらググッてみたら、なんと今も発行されているじゃないか!
今ではフリーマガジンとして主要なCD屋やライヴハウスにあるみたい。凄い!素晴らしい!あれから8年、ずっと継続していたのかその辺は分からないけど、上記サイトで内容を確認する限りではかなりグレードアップしているようだ。
俺は別に何の縁もない人間だけど、なんだか嬉しくなった。新しい号が発行されたらぜひディスク・ユニオンで手に入れようと思う。
ここまで続けて大きくしてきたスタッフの方へ敬意を払います。継続は大事、本当にそう思う。俺もこのブログを続けるモチベーションが上がったよ!
コメント
はじめまして。
CCCDは最悪でしたね、音質は最悪、CDプレイヤーによっては故障の原因になったりで、「馬鹿な事するなあ」と思っていました。
日本盤は元音源からほど遠いマスタリングをしているので、アメリカで録音されCD化された物はアメリカ盤、イギリスで録音された物はイギリス盤という風に輸入版を聴いていました。
最近(一昨年位)大のストーンズファンの嫁がボーナストラックだか何かで既に持っているベガーズ・バンケットの日本盤を買ったところ、爆音レベルまで音圧を上げたもので、全く聴けた音では無く二度とプレイヤーに入る事はありませんでした。
自身の経験上解っている事でしたが、日本の音楽業界は音楽もミュージシャンも金儲けの為だけの使い捨てとしか扱っていないという事が嘆かわしい事です。
音楽廃人さん、コメントありがとうございます(すごい名前ですね)。
CCCDは自分も避けてました。
1枚だけ仕方なく買ったものがあったのですが、そのせいか古いプレーヤーが壊れましたw
日本盤は別マスタリングってのは聞いたことがあります。
それにしても、ベガーズ・バンケットの音圧ってそんなに酷かったのですか!?
未だこのアルバムはアナログ起こしの音源で聴いているので、音圧については知りませんでした。
レッド・ツェッペリンも現在再発されている前のリマスターは音圧が高いらしいですね。
>日本の音楽業界は音楽もミュージシャンも金儲けの為だけの使い捨て
これは本当に思います、当初音楽業界に入った志は無くなっちゃうものなんですかね・・・。
ベガーズ・バンケットは洋楽日本盤音圧トップ10に入る位で、ダイナミクスが無くなってしまってる位でした。
レッド・ツェッペリンもジミーペイジのリミックスはまだいいんですが普通の再発ものはう〜ん?となりますね。
音楽業界に入って初めて業界の現実を知ってやめて地元に戻って来る人間の方が多いですね。
自分もバンドで契約寸前までいってやめたパターンですが後悔とか全然無かったです。
メンバーの兄貴が元プロ志望でレコード会社でバイトしたのがきっかけで業界の実情を知り、ミュージシャンとしてプロになる事がバカらしくなって趣味に方向転換してましたし、業界の裏話を聞いてたので、年月を無駄にしなかっただけでも良かったです。
最も成長する年齢で最も伸びる作業であるレコーディングで自分達が楽器を弾く事が無いというだけで時間の無駄ですからね(笑)
一番売れてた時期のストリートスライダースでもCharが弾いてます、バンド名上げたらキリが無いですね(笑)
音楽廃人さん
音圧に関しては一時期どのアルバムにしても上げ気味だったような気がします。
おかげでインポートすると同じアーチストでもアルバムによって聴くボリュームを変えなきゃいけないとかありましたw
>一番売れてた時期のストリートスライダースでもCharが弾いてます
こういう話もよく聴きますね、何十年も経ってから裏話として出るものもありますが、
多くは出てこないんでしょうね。