2019年のアルバムだが、とても良いものを見つけてしまった。クロード・フォンテーヌ、フランスっぽい名前だが、アメリカ生まれのシンガーソングライターである。
Bandcampを徘徊していてたまたま見つけたのだが、何気に再生したら瞬時で好きになってしまった。
初っ端からレゲエ、いわゆるラヴァーズ・ロックなのだが、そこに乗っかるウィスパー・ヴォイス。俺的にはいままでに聴いたことがない組み合わせでとても新鮮。しかも、聴き進めていくと前半5曲がレゲエで、後半はいきなりボサノヴァが展開される。
いろいろ謎すぎる。フランス名のアメリカ生まれ、音楽はレゲエとボサノヴァだなんて。
なんでもイギリスのレコード店でレゲエを聴いて衝撃を受けたという経歴があるようで、それで自分の曲に取り入れたとか。ある種の初期衝動みたいで惚れ惚れしてしまう。
しかも、このアルバムに参加しているのがとんでもない人たち。
レゲエ方面でいうとスティール・パルスのベーシストだったロニー“ステッパー”マックイーンが参加しているわ、ジギー・マーリーのバックを務めたこともあるドラムのロック・デッドリック、そしてボサノヴァ側ではパーカッションでアイアート・モレイラ。どうやってこの人たちを集めたのだろう。1stアルバムってことは新人ですよ、当時はまだ。
俺はラヴァーズ・ロックはかなり好きな方ではあるが、全編それで来られるとちょっと飽きてしまう。その点このアルバムは前半5曲だけで、残りがボサノヴァという流れなのでとても聴きやすい。ボサノヴァはナラ・レオンの『美しきボサノヴァのミューズ(Dez Anos Depois)』のような雰囲気がある。
それにしても、なんで当時知らなかったのか。恐らく俺の周りや、Twitterでフォローしている人、誰も聴いていなかったのだろう。そもそも2024年のいま、「Claude Fontaine」でググってみても、日本語で書かれた記事やインタビューらしきものも見当たらない。Twitter内を探せばそれなりに聴いている人はいるようだけど。
そしてなぜBandcampでたまたま見つけたのかというと、ちょうどその日の晩にセカンド・アルバム”La Mer”のリリース直前リスニングパーティのお知らせが表示されていたのですよ。それで何者だと思って1stを聴いてみたというわけ。そう、つまり2ndアルバムがリリースされたばかりってことなんですよ。